VRペイントツール『Painting VR』話題沸騰中。絵の具のきらめきまで再現した超リアル空間でレッツ・バーチャルお絵描き

ベルギーのスタジオOisoi.studioは5月5日、『Painting VR』をリリースした。『Painting VR』は、バーチャル空間で自由に絵を描けるペイントツールだ。

ベルギーのスタジオOisoi.studioは5月5日、VRペイントツール『Painting VR』をリリースした。対応プラットフォームはOculus Quest/Oculus Quest 2で、価格は9.99ドル(約1092円)。コントローラーとしてOculus Touchをサポートしている。発売から1か月が経とうとするなか、SNSなどで話題にのぼっているようだ。 
 

 
『Painting VR』は、バーチャル空間で自由に絵を描けるペイントツールだ。プレイヤーはさまざまな画材を選び、仮想空間上で絵画を制作することができる。ツールを起動すると、まずは巨大なアトリエに送りこまれる。目の前には、床から天井までそびえたつ大きなキャンバス。単なる白い壁ではなく、実際の帆布と同じように生地の布目まで再現されているのが特徴だ。同時に、プレイヤーの隣には棚が備えつけられている。棚には、いくつかのブラシが存在。VR空間上の手を使って絵筆を取り、手書きで絵を描くことができるのだ。 

画材には多彩な種類が用意されている。絵筆はさまざまな太さが用意されているほか、シンプルな描画が可能なものと、すでに描かれた筆跡をぼかす効果があるものが存在。いちど描画した箇所と重なるように描くことで、線をやわらげたり、混色したりすることができるのだ。より広い範囲を塗りつぶすために、大きめのハケや各種サイズのペイントローラーも与えられている。より手早くスケッチを描きたいときは、ペイントスプレーを使って気軽に落書きすることも可能だ。さらに、プレイヤーの“手”も画材として使用可能。VR空間上のハンドでキャンバスに触れると、描いた絵の具をぼかす・伸ばすといった技を用いることができる。 

混色についても実際のお絵描きと似た感覚で可能。足元に注目すると、絵の具が入ったいくつかの缶が無造作に置かれている。それぞれ赤・青・黄色という色の三原色が入っており、缶から缶へ絵の具をブレンドすることで理想の色を作りだすことができる。本作を特徴づけるのは、写実的な質感だ。絵筆をキャンバスに置いて滑らせれば、描画ラインに筆のタッチや筆跡が残される。描いたばかりの箇所は水分を含んだ絵の具のように環境光をきらきら反射するのだ。 
 

 
『Painting VR』は5月5日にリリースされ、すでに多数のユーザーに利用されている。Oculus Questストアでは76%のユーザーが星5つのレビューをつけており、好評を博しているようだ。中にはさらなるブラッシュアップを望む声もある。絵筆の描き味のリアルさを評価しつつ、ほかの画材のアップデートを望む声も。スプレー缶についてはまだ強弱や不透明度の調節ができないほか、ペイントローラーはカーブを描きにくいといった難点もあるようだ。 
 

*ゲーム業界人向けメディア80 LEVELが投稿したツイートが現在話題にのぼっている 
 

 
またユーザーが求める大きな要素として、「アンドゥ機能の実装」が挙げられる。本作はリアリスティックな描画体験を追求しているためか、今のところいちど描いたものを取り消す機能が存在しない。あるユーザーはストアレビュー欄において、同機能の実装を熱望する声を寄せた。これに開発チームから返答が寄せられており、“アンドゥなし”の方針については「風向きが変わりつつある」と述べる。のちに、コミュニティに対しアンドゥ機能を実装すべきか否かを問いかける予定があるようだ。また夏ごろリリースするビルドでは、より小さなキャンバスの追加や、ブラシ機能の向上がスケジュールされていると語っている。 

VR向けペイントソフトとしては、奥行きのある空間を描画できる『Quill』などが存在し、同ソフトで描かれた世界を舞台にしたアドベンチャーゲームもリリースされている(関連記事)。一方『Painting VR』はバーチャル空間を利用しつつ、あくまで現実世界と同様の体験を再現しようとしている点で差別化がなされているといえそうだ。 
 

 
『Painting VR』はOculus Quest/Oculus Quest 2向けに、Oculus Questストアにて配信されている。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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