先週5月5日に新シーズン「英雄の軌跡」が開幕した『Apex Legends』。アリーナモードや新レジェンドのヴァルキリーなど、大規模なアップデートとともに数々の新要素が追加され、コミュニティやSNSにおいては多くのプレイヤーが新シーズンを楽しんでいる様子がうかがえる。そんな中、新武器ボセックボウに対する風当たりの強さが話題となっているようだ。本日5月10日、「#弓おもんな消せ」というハッシュタグがTwitterにて一時トレンド入りした。
ボセックボウは、新シーズン「英雄の軌跡」にて追加された弓形の中距離武器だ。全3段階のチャージが可能となっており、溜めるほどに弓の威力は上昇。最大までチャージした場合は胴体に70、ヘッドショットでは123ものダメージを与えることができる。また静音性にも優れており、銃弾を扱わないために射撃時の音はかなり小さめ。高火力かつサイレントな点がボセックボウ最大の長所であり、まさにアサシンのような立ち回りを可能とする武器となっている。
中距離武器としては理想的な性能を兼ね備えるボセックボウ。その一方で、前述した強みは
一部のプレイヤーの恨みを買ってしまったようだ。本日5月10日、Twitterにて「#弓おもんな消せ」という、トゲのあるワードが一時トレンド入り。このワードはストリーマーとして活躍するボドカ氏のつぶやきを発端に、多くのプレイヤーから注目を集めることになった。現在はハッシュタグまで作成され、ボセックボウに対する恨みつらみが数多くつぶやかれている。
ではなぜ「#弓おもんな消せ」がトレンド入りするほど、ボセックボウへの風当たりが強いのか。Twitter上では具体的な不満として、中距離武器でありながらスナイパーレベルの高火力をたたき出せること。どこから撃たれているのか判断しづらいこと。それでいて連射速度が速いことなど、冒頭に述べたようなボセックボウの長所に対して不満を漏らす声が多く見られる。つまり、一部のプレイヤーにとってボセックボウは、削除を望むレベルの“壊れ武器”に映ってしまっているわけだ。
一方、「使う側は楽しい」とのつぶやきが多いのも事実。前述のボドカ氏の投稿には『Apex Legends』界きっての腕利きストリーマー渋谷ハル氏も「使う側は楽しいですよ」とコメント。実際、同氏が新シーズン開幕直後におこなったライブ配信では、初使用でありながらボセックボウで1マッチ4293ダメージをたたき出していた。プレイヤーのスキルレベルに依る部分は大いにあるものの、敵から位置がバレにくく、一発で高火力を発揮できるボセックボウを好んで使用するプレイヤーは多そうだ。
しかし、だからこそ、ボセックボウは恨みを買っているのだ。なにしろ、2発連続でヘッドショットを受けるとそれだけでダウン。胴体だけだとしても紫アーマーなら約3分の1の体力、青アーマーであればシールドをほぼすべて破壊され、白アーマーの場合はシールドを完全に破壊されたうえに生身の体力まで20HP削られる。一発でも受けるとシールドセルでの回復が強いられ、さらに撃ってきた敵の位置を把握しづらいこともあり、長・中距離戦では対処に困る場面が多くなりがち。そんなボセックボウを恨む気持ちが今回「#弓おもんな消せ」として、多くのプレイヤーから噴出したのだろう。
ただし、ボセックボウも決して万能な武器ではない。まず、非チャージ時の威力は低い。また近距離での戦闘においてはショットガン化可能なシャッターキャップがあるが、やはりほかの近距離武器にはDPS面でかなわない。そして何よりも、誰でも気軽に火力を発揮できるわけではない点も忘れてはならない。ボセックボウは単発武器ということもあり、その性能はあくまで使い手のエイム力や立ち回りの練度によって左右される。そうした意味でボセックボウは現状、使いこなすと強い武器であって、容易に扱える壊れ武器ではないだろう。
前述したようボセックボウは、使いこなしてはじめて猛威を振るう武器となる。新武器ということで注目されやすい面もあるだろうが、冷静に考えればプレイヤー全員が等しく手軽に高火力を出せるような性能にはなっていない。使いこなしたもののみに与えられる強さがボセックボウにあるのだ。ただし、使いこなした際の火力の出方に関しては、ほかの中距離武器よりも頭一つ抜けているのも事実。今後コミュニティやプレイヤーの声を受けて、何らかの調整が施される可能性は十分にあるだろう。
ちなみにハッシュタグ「#弓おもんな消せ」は語気が強くインパクトのあるフレーズのためか、現在は半ばネットミームのようなかたちで広まりつつある。ほかの作品のキャラクターや歴史上の出来事などに「#弓おもんな消せ」を当てはめて笑いを誘う投稿がTwitterにて盛り上がっており、『Apex Legends』の枠を超えたトレンドワードとなっている。またこうした状況にはトレンドの発端となったボドカ氏自身も困惑まじりに反応。トレンド6位にランクインした際は「不本意」、トレンド1位に輝いた際は「クソワロタ なんでやねん」とつぶやいている。