『Apex Legends』アリーナモードにキンキャニの「ガントレット」が欲しい。ユーザーの要望から、開発の裏話がこぼれだす

 

Apex Legends』アリーナモードへのユーザーからの要望に開発者が反応し、マップ制作の裏側が明かされているようだ。アリーナモードは、今シーズンより追加された新たなマルチプレイコンテンツのひとつ。3v3形式のチームデスマッチで、敵部隊を壊滅させ3点先取したチームが勝利となる。ポイント消費による武器・アイテムの購入をはじめ、独自のシステムが特徴だ。 

アリーナモードでのマップは現在、3種類が実装されている。そのうち「パーティークラッシャー」「フェーズランナー」の2つは、それぞれアリーナモード専用に作られた新規マップだ。一方、「砲台」は既存のキングスキャニオンの一部マップを流用したものとなる。このほか、ワールズエッジの「火力発電所」やオリンパスの「ゴールデンガーデン」がローテーションで登場予定。既存マップのスポットを、異なるルールで遊べるのはプレイヤーにとって新たな楽しみといえる。一方、すでにあるマップから別のロケーションをアリーナモードへ移植する想像も膨らませたくなるのが人情だろう。 

あるユーザーは海外掲示板Redditにて、そんなアイデアのひとつを投稿。キングスキャニオンにおける「ガントレット」をアリーナモードに移植してはどうかと提案している。ガントレットは南方に位置する、オクタンをテーマとしたロケーション。至るところにジャンプパッドやアスレチックが設置されており、ギミックを使ってユニークなアクションを楽しめる地形となっている。遮蔽物も多いため、ここでデスマッチをおこなうのはたしかに興味深いアイデアといえそうだ。 
 

 
しかしこの提案に対し、リードデザイナーのDaniel Zenon Klein氏は乗り気でない様子だ。Klein氏は、ガントレットをアリーナマップにするにはいささか狭すぎるとコメント。同氏によれば、アリーナマップとして使うには複数のロケーション(戦利品を漁るスポット)が含まれている必要があるという。さらに理想をいえば、それぞれのロケーションの間には目で見てわかる境界線が含まれているとなお良いそうだ。ガントレットは多くの構造物があり遮蔽には事欠かないものの、単体でアリーナマップとするには十分でないとの見解を示している。 

この回答に対し、別のユーザーは「ガントレットをアリーナ用にカスタマイズしてみてはどうか」とコメント。既存マップそのままの流用では狭すぎても、ジャンプパッドや足場の位置を調整すれば十分活用できるのではないかという提案だ。これに対し、Klein氏はたしかにそれも可能であると返答。しかし、ガントレットを“バトルロイヤルでも使えるようにしつつ”改変することは難しいだろうとしている。 

そもそも開発チームにとって成功といえるのは、バトルロイヤルマップをまったく改変しないままアリーナモードに転用することだ。現在実装されている砲台マップはその一例で、本家モードから改変の工数をかけずにアリーナで使用することができている。今後ローテーションで回ってくる火力発電所やゴールデンガーデンも同様とのことだ。 
  

 
もちろん、既存マップをアリーナ用にカスタマイズすることもできなくはない。しかしそれであれば最初からアリーナ専用のマップをゼロから作るのと手間数は変わらないという。そして、Klein氏の見立てによれば、本来マップはアリーナ専用に設計する方が理想的ではあるとのこと。 

Klein氏は、アリーナモードを繰り返し遊んでいれば、専用マップであるフェーズランナーとパーティークラッシャーの方が、砲台より優れていることに気がつくだろうとしている。たとえばパーティークラッシャーでいえば、開発チームにて「Construction」と呼ばれていた建物に篭城することで優位なプレイを繰り広げることができる。開発チームはアリーナでのゲームプレイに合わせていちからマップを設計したことで、多くを学んだそうだ。ノウハウを生かし、今後の専用マップはさらに良いものになるだろうとしている。 

なお別のユーザーからは、「ガントレットが小さいなら、それはそれで試してみればいいんじゃない? せっかく新しいゲームモードなんだし」とのコメントも。これに対しては、武器周りの調整を務めるDavid Bocek氏がツッコミを入れた。「すごくたくさん試したよ!」。いわく、開発チームはすでに多くの既存マップやカスタムマップのプロトタイプをテスト済み。さまざまな検討を重ねた結果、現在のかたちに落ち着いたそうだ。Bocek氏の見解によれば、小さいマップはすぐに同じことに繰り返しになってしまうという。どこを拠点にするか、敵がどこに向かうかといった判断がマンネリ化してしまうため、狭すぎるマップはうまくいかないと考えたとのことだ。 
 

 
ユーザーのちょっとした提案から、新モードにおけるマップ開発の裏側が明かされた今回の一幕。開発背景を知ったうえで遊んでみると、見慣れた地形にも新たな発見があるかもしれない。今後実装される予定のマップにも期待を寄せておこう。