Nintendo Switch『スーパー野田ゲーPARTY』発売1週間で5万本売り上げる。単なる色物ではない、高いクオリティが反響呼ぶ
吉本興業は5月7日、Nintendo Switch向けのダウンロード専用ソフト『スーパー野田ゲーPARTY』の販売本数が5万本を突破したことを発表した。本作の発売日は4月29日。発売からわずか1週間で記録を達成した運びとなった。なお発表にあわせて、今後のアップデートで追加予定の2つの新ゲームも公開されている。
『スーパー野田ゲーPARTY』は、お笑いコンビのマヂカルラブリーの野田クリスタル氏が手がけたミニゲーム、通称「野田ゲー」が詰め込まれたパーティーゲームだ。本作に収録されている野田ゲーは計16作品。相手の順番を待たずしてサイコロを振り続け、先に1兆マス先のゴールを目指す「凄六」。さまざまな動き方をする約200種類の駒と、ライフ制やどの駒が王将なのか取られるまで分からないといった新機軸のルールを設けた「将棋Ⅱ」。60種以上の動物たちが、アイテムを入手しながら干支入りを目指して競争する「新・干支レース」。RPGからクイズまで、バラエティに富んだ奇抜なアイデア光るミニゲームが収録されている。
本作は、野田クリスタル氏とカヤックが共同で開発。カヤックの開発メンバーとして、『ことばのパズル もじぴったん』を生み出した後藤裕之氏も制作に協力している。共同開発のきっかけとなったのは、野田氏が出場した吉本興業主催のピン芸コンクール「R-1ぐらんぷり2020」。野田氏は無類のゲーム好きで、25歳くらいから独学でゲーム制作をおこなっており、R-1ぐらんぷり2020では自ら制作したゲームを実況するネタで優勝を勝ち取った。その旨を報じる記事がカヤックのプロデューサーである香田遼平氏の目に止まり、カヤック側からの声かけから本作のプロジェクトがスタートしたという。
本作については、2020年7月21日に開発資金を募るためのクラウドファンディングを開始。開始から約3日で目標金額の400万円調達を達成し、結果として約2000人のサポーターから1300万円を超える金額が集まった。サポーター向け特典としては、サポーターが作ったイラストや音声がゲーム内で使用されたり、自身が雑魚キャラやボスキャラとして登場したり、はたまたテストプレイを見てダメ出しをしたりといったものを用意。ユーザーがゲームをプレイするだけでなく、制作部分から楽しめる「ユーザー共創型ゲーム」をコンセプトとして制作されている。
本作の販売本数が5万本を突破した背景には、野田クリスタル氏自身の知名度・アイデア・ゲームへの情熱もさることながら、制作チームとユーザーが一丸となって「みんなで作る」というコンセプトによって生まれた作品の独創性が挙げられそうだ。クスっと笑ってしまうような手仕事感の強いグラフィックからは、悪ふざけで作られた“その場限りの一発ネタ”のような印象を受けるかもしれない。しかしながらどの収録ゲームも、誰にでも楽しめるシンプルな操作性と、類似品のない独特かつ魅力あるアイデアを活かしつつ、しっかりと遊べるものに仕上がっている。その見た目に反したゲームとしての高いクオリティに注目が集まったことも、今回の好調なセールスに繋がっていることだろう。
なお、今後のアップデートで追加されるゲームは「漫才王」と「人面ニャ」だ。漫才王は「ボケ」と「ツッコミ」のキャラクターを引っ張ってステージまで飛ばすゲームのようだ。ゲーム が進むと、ステージまでの構造が複雑になったり、マイクも引っぱってステージまで運ぶようになったりと難しくなっていくという。一方の人面ニャは、帰省中の主人公が「人面ニャ」のいる居心地良い実家から脱出を図るゲームだ。実家脱出時に巻き起こる怪現象と、人面ニャのあらゆるやる気を失わせる癒しを乗り越える、新感覚のアドベンチャーゲームだという。ユーモア溢れる2つのゲームが追加されるアップデートを楽しみにしておこう。
Nintendo Switch向けのパーティーゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』は、ニンテンドーeショップにて税込み1000円で配信中だ。