牧場ゲーム『Stardew Valley』開発者、類似ゲームに苛立ちを見せる。あまりにも似たゲームに困惑

『Stardew Valley』開発者であるEric Barone氏は、類似ゲームについて苛立っているようだ。『Stardew Valley』といえば、大ヒット牧場運営ゲームである。1000万本以上を売り上げており、同作から影響を受けた作品も多く生み出されている。しかし、あまりにも似すぎていれば、開発者としても看過できないのかもしれない。Twinfiniteが報じている。

議論の対象になっているゲームは『Super Zoo Story』だ。現在開発途中のタイトルであり、動物園を運営するRPGであるという。動物園を運営するだけに留まらず、さまざまなロケーションに出向き探索したり、街の人々とふれあったり。特定のNPCとは結婚もできるそうだ。ゲームコンセプトそのものは興味深いものの、一部ユーザーにとっては気になるところもあったようだ。『Stardew Valley』との類似性である。

『Super Zoo Story』と『Stardew Valley』の類似点は多い。コンセプトに類似点が見られるほか、ピクセルアートの使い方も似ており、キャラクターデザインも酷似。UIについては、配置の場所や表示項目の若干の違いはあるものの、かなり似ている。公開されている画像や映像を見る限り、フォントやアニメーションも似たものが採用されている。桟橋や川辺などロケーションデザインも似ている。『Super Zoo Story』の公式Twitterアカウントに対しては、すでにその類似性を批判する声が数多く寄せられている。そしてどうやら『Stardew Valley』開発者であるEric Barone氏も別の場所でコメントしたようだ。

Barone氏はDiscord上で、ファンから寄せられた疑問について答えている。このファンは『Super Zoo Story』を見て、『Stardew Valley』の拡張パックもしくは模造品ではないかと思ったとコメント。Barone氏の意見を尋ねた。するとBarone氏が回答。まず前提として、そもそも『Stardew Valley』が『牧場物語』から影響を受けた作品であるため、『Stardew Valley』から影響を受けたゲームが問題だと思ったことはないとコメント。しかしながら、『Super Zoo Story』はちょっと行き過ぎているとの見解を示した。もし同作の開発者が『Stardew Valley』のアセットを盗用しているならば大いに問題があるとしつつ、もし盗用していないにしても、ちゃんと時間をかけて自分たち独自のスタイルを確立すべきだと苦言を呈している。またあまりに似ているせいで、Barone氏の新作であると誤解されるリスクもあり、人々を混乱させているとも語った。

またBarone氏は、『Super Zoo Story』開発者のスタンスについても“神経を逆撫でする ”として怒りを見せている。というのも、『Super Zoo Story』開発者は「『Stardew Valley』のピクセルアートからインスパイアされているが、まったくの別物だ」と主張している 。開発者は『Stardew Valley』のアートスタイルから影響を受けていることを認めており、Twitterアカウントのプロフィール欄にも「#Stardewvalley inspired」と記載している。また自分たちのアートスタイルがユニークであると主張しているわけではないともコメント済み。その上で、『Super Zoo Story』は別のゲームだと主張している。

一方でアセット盗用だと主張するユーザーには苛立ちを見せている。そうしたユーザーに対しては盗用の証拠を要求しているほか、『Stardew Valley』と自身の作品のスクリーンショットを比較してみせる一幕も 。さらに、ほかのユーザーから寄せられた作品の類似性についての意見に対しては「このアートスタイルを使用することは法律で禁じられていません」とも反論している 。そうした論点とは別途、自身のTwitter投稿にに『Stardew Valley』や『Story of Seasons（牧場物語）』『Animal Crossing（どうぶつの森）』といったハッシュタグを大量につける同開発者の行為もまた、顰蹙を買う理由になっているのかもしれない。

Barone氏はまだ本件について公にはコメントしていない。同氏の運営する開発スタジオConcernedApeのTwitterアカウントは『Stardew Valley』アレンジアルバムの告知をするなど、いたって牧歌的だ。Discord上の苦言を呈するコメントは、あくまで個人ユーザーに対して明かしたプライベートな思いである。とはいえ、Barone氏としては、神経を逆撫でするという発言から、苛立ちを覚えていることは確かだろう。特に自分の作品だと誤解させる作風である点は、看過できないはず。『Super Zoo Story』公式Twitterアカウントは、Barone氏のコメントにまだ反応を見せていない。同作ははたしてこのアートスタイルのままリリースされるのだろうか。