『Apex Legends』ヴァルキリーの性能について開発者が“補足説明”。空飛ぶレジェンドが“壊れ性能”になるか否かを注視
『Apex Legends』新シーズン「英雄の軌跡」の開幕が迫る中、海外掲示板Redditでは早くも新要素についての議論が活性化している。中でも注目を集めているのは、やはり新レジェンドのヴァルキリーだ。彼女の性能について、リードデザイナーのDaniel Zenon Klein氏がさまざまな情報を小出しにしている。現時点で明らかになっている要素をひとまとめにチェックしてみよう。
まず、戦術アビリティ「ミサイルスワーム」について。こちらはジェットパックに備え付けられたミサイルポッドから複数の小型ロケットが発射し、敵にダメージを与える能力だ。一見すると高所から一方的に爆撃できる強力なアビリティにも思えるが、実はミサイルの威力は「パンチよりも弱い」ことがKlein氏から明かされている。Klein氏によれば最初のミサイルは25ダメージを与え、後に続くミサイルは3ダメージに相当するとのこと(鉄壁がある場合は2)。
こうした控えめな性能については、『Apex Legends』が銃撃をベースとしたゲームであることが背景にあるようだ。ミサイルスワームそのもので敵を倒すよりも、スタンや視界不良といったデバフにより銃で仕留めやすくすることを念頭に置いた方がいいかもしれない。またヒューズの戦術「ナックルクラスター」との違いについて、ヒューズが持続時間と一定範囲の攻撃に長けているのに対し、ヴァルキリーのミサイルスワームは1回限りかつレジェンドに対し直接効果を発揮する攻撃。カバーに隠れている敵を引きずり出すといったシチュエーションで役立つと語っている。
ヴァルキリー最大の特徴ともいえる飛行についても、さまざまな事実が明らかになっている。トレイラーでは、スクワッドとともに一気に打ちあがり戦場から飛びさる姿が印象的な彼女。しかしKlein氏によれば、実際に戦闘の渦中で離脱するのはかなり難しいとのこと。アルティメットを起動する際の2秒間でダメージを受けると発動がキャンセルされてしまい、クールダウンタイムも75%分が課されてしまうという。守りよりも攻めのターンで利用することが基本的な運用になるとのことだ。またヴァルキリーが飛び上がった際の高度は、平均的なジャンプタワーの1.2倍にも及ぶという。
また飛行可能なレジェンドとなると、気になってくるのは上空での機動力だろう。空中でのヴァルキリーはそれほどキビキビと動けるわけではない。さらに飛行中は武器の使用が不可能となっている。よって、空中から一方的に高速レレレ撃ちされるような事態はなさそうだ。こうしたレジェンドの設計意図について、Klein氏はたびたび語ってきたとおり、「反射神経」よりも「事前に行動する」ゲームデザインについて語っている。不意の攻撃に素早く反応するよりも、常に敵がどう行動するかを予測し、あらかじめ先手を打っておくということだ。
事前に行動するゲームデザインを設計するにあたり、開発チームが重要視しているのが「明確に定義された最前線」という概念。これは、敵がどこにいるかを把握しており、あるラインを越えることで戦闘が激しくなることがはっきりしている状態を指すそうだ。明確に定義された最前線を構築する上では、キャラクターの動きをある程度遅くすることが重要だという。
比較対象として、『タイタンフォール 2』ではすべてのプレイヤーが常にウォールダッシュやダブルジャンプを繰り返していたため、明確な最前線が生まれにくい状況になっていたという。ヴァルキリーの空中での動きに制約があり、離陸時に目立つ仕様となっているのも、常に相手の動きを予測可能なゲームデザインを崩さないためであるようだ。ただし、バランスに細心の注意を払いつつ、ヴァルキリーが“壊れ性能”になるか否かはKlein氏としても読みきれない部分が多いとのこと。
「英雄の軌跡」に向け、着々と情報が明らかになってゆくヴァルキリー。弊誌では実際に先行プレイで彼女を使用してのレポートもお届けしている。実際の使い心地については、こちらの記事も参考にしてほしい。