『Apex Legends』の非バトロワコンテンツ「アリーナモード」正式発表。これまでの戦いを大きく覆すモード、先行プレイにて詳細内容をお届け

バトルロイヤルFPS『Apex Legends』にて5月4日に新シーズン「英雄の軌跡」が開幕される。先行プレイも踏まえ、本稿では新コンテンツ「アリーナモード」の詳細をお届けしよう。

サービス開始から破竹の勢いを見せ続けるバトルロイヤルFPS『Apex Legends』。先日には総プレイヤー数1億人も突破した。そんな本作では、5月4日に新シーズン「英雄の軌跡」が開幕される。シーズンタイトルからナンバーが外され、これまでとは一段と異なる展開を予感させる「英雄の軌跡」であるが、このたびElectronic Artsから先行プレイ体験の機会を頂いた。そこで読者の方に向けては、約9時間にわたるデモプレイを経て判明した新要素の数々を3つの項目に分けて紹介していく。本稿では、新コンテンツ「アリーナモード」の詳細をお届けしよう。


アリーナモードのルール

新シーズンの目玉要素ともいえる「アリーナモード」。その内容はバトルロイヤルとはまったく異なり、3v3でのチームデスマッチとなっている。ルールは至ってシンプルで、敵部
隊を壊滅させると勝利。逆に壊滅させられると敗北だ。3点先取制となっており、各ラウン
ドにおいては勝利すると1ポイント獲得。先に3ポイント達成したチームがチャンピオン
に輝く。ただし、チャンピオンになるには敵チームと2点差をつけてラウンドに勝利する
必要あり。最短3ラウンド、最長で9ラウンドまで進行し、最後はサドンデスでの戦いとなる。

前述したルールだけを見ると、アリーナモードは一般的なFPSにおけるチームデスマッチと似たような印象を受けるかもしれない。しかし、同モード最大の特徴は装備の選択方法にある。毎回のラウンド開始前には、各プレイヤーに必ず30秒間の装備選択フェイズが与えられる。ここで自身の装備を整えるわけであるが、銃や消耗品を入手するにはポイントを消費しなければならない。一方、アリーナモードのマップ内ではアイテムドロップは一切なし。つまり、全プレイヤーは手持ちのポイント内で事前にアイテムを購入し、装備を整えていくわけだ。


アイテム購入フェイズ

購入できるアイテムは武器/消耗品/スキルの3つに分けられており、武器についてはバトルロイヤルモードにて入手できるもの(ケアパケ武器除く)は、すべて購入可能なアイテムに含まれている。銃の種類によって必要なポイント量は異なり、たとえばEVA-8は250でマスティフは500。また、RE-45は250でRE-99は550など、扱いやすさや威力などによってそのコスト設定には幅がある。なお、P2020とモザンビークについては初期装備で身につけており、コストは0となっている。また、各武器の弾薬についても購入の必要はない。

くわえて、すべての武器は追加でポイントを支払うことでアップグレード可能だ。アタッチメントなしの状態から白・青・紫の順に、標準ストックや拡マガ、バレルスタビライザーなど、一度にすべてのアタッチメントレベルを引き上げることができる。スコープについてはアップグレードによって選択可能な種類が増えていき、2倍スコープや3倍スコープ、1倍デジタルスレットなど、武器のグレードを上げていくごとに好みのスコープに付け替えられる。


前述したように、P2020とモザンビーク以外の武器は基本的に購入しなければ装備できない。ただし、アリーナモードのマップ内には一定時間経過でケアパッケージが投下されるため、そこから武器を入手することも可能だ。中身についてはラウンドが進むごとにレア度が上がっていく。また、アリーナモードでは死亡したプレイヤーはデスボックスにならず、その場に手持ちの装備(武器や消耗品)を落とす。それを奪って自分の装備にするのもいいだろう。なお、アーマーとヘルメットについてはラウンドごとに最初から装着しており、ラウンド2までは青、3以降は自動で紫となる。アーマーをダメージで進化させることはできない。

さらにアリーナモードの特筆すべき点は、レジェンドのアビリティさえも購入アイテムの対象となっていることだろう。各レジェンドの戦術アビリティおよびアルティメットは、バトルロイヤルモードのように何度も発動できない。購入したアビリティの数がそのまま発動可能な回数となり、さらにそのストックには上限がある。上限はレジェンドごとに異なり、たとえばオクタンの興奮剤は7つ、ホライゾンのリフトは4つまでストック可能。アルティメットはいずれのレジェンドもひとつしか持てない。また、レジェンド間でアビリティのコストにも差がある。なお、使用しなかったアビリティについてはそのまま次のラウンドに持ち越し可能だ。


アイテム購入ポイントの入手法

では、装備を購入するためのポイントはどのようにして入手できるのか。その手段については全部で3つ用意されている。1つ目はラウンドボーナスだ。これはラウンドごとに必ず貰えるポイントとなっており、その量はラウンドが進行するたびに増えていく。2つ目はキルによるポイント獲得。敵を1人キルするごとに75ポイント獲得でき、その量は累積されていく。最後3つ目は材料の回収。アリーナモードのマップ内にはレプリケーターに使用するものと同様の材料が点在している。それを回収することで200ポイントを入手可能だ。なお、使用しなかったポイントは次ラウンドに持ち越せる。

アリーナモードのマップ

アリーナモードのマップについては全部で3マップ用意されており、15分おきにローテーションする方式となっている。通路が複雑でインファイトが多発する、パーティークラッシャー。障害物が少なく周囲から射線が通りやすい、フェイズランナー。そしてキングスキャニオンの北部に位置する、砲台。それぞれ特徴が異なっており、パーティークラッシャーおよびフェイズランナーはアリーナモード限定のオリジナルマップ。砲台は既存のバトルロイヤルマップから一部を切り取ったものとなっている。



アリーナモードを実際にプレイした所感

以上がアリーナモードの概要となる。基本ルールは単純であるが、前述のとおり購入フェイズ中にできることが多いため、複雑な印象を受けるかもしれない。また『Apex Legends』にとって、アリーナモードはまったく新しい試み。プレイヤーにとっても未知の領域であり、ゲームバランスなどを含めた実際のプレイフィールが気がかりな方も多いことだろう。だが、先行プレイ体験にて実際に3時間ほどプレイしてみて、そうした気がかりはすべて杞憂だったと筆者は気づかされた。

端的に言って、アリーナモードはバトルロイヤルと一般的なFPSにおけるチームデスマッチのいいとこ取りをしている。まず、ラウンド開始時の公平性について触れたい。アリーナモードでは、ラウンドに勝っても負けてもすべての装備を最初から選択することとなる。あくまで装備の強さはポイントの使い方で決まり、ラウンドに勝ったとしても大きく優位になることはない。武器のアンロック要素やキル数による必殺技などもなく、またキルによって稼げるポイントもあえて少なめに設定されている。つまり、両チームは毎ラウンドほぼ同じ条件下で戦いに挑むわけだ。純粋なプレイヤースキル以外の要因で、試合が一方的になることはない。


では競技性に欠けているかというと、まったくそんなことはなく、むしろ戦いは購入フェイズから始まっている。アリーナモードではバックパックの構成と銃とアビリティ、それらすべてを手持ちのポイント内でやりくりしなければならない。だからこそ、毎回のラウンドでは味方・敵チームの部隊構成や立ち回りを踏まえた上での装備選択がかなり重要となる。さらに何よりも、戦闘中に漁夫が来ないという安心感は絶大。バトルロイヤルよりも運の要素が絡まないため、自身の純粋な戦略性とスキルを思う存分発揮することができるのだ。ちなみに味方の装備については、アイテム購入画面で確認可能となっている。

そして最後に特筆すべきは、1マッチにおけるスピード感だ。アリーナモードは各ラウンドもさることながら、1マッチ自体もかなり早く終わるようにデザインされている。マップがコンパクトかつ、アイテムを漁る必要がないのはもちろん、もっとも試合スピードに拍車をかけているのは短い時間でのリング収縮だ。バトルロイヤルモードと同じく、一定時間経過でリングが収縮開始するのだが、その時間はたったの45秒。収縮しきった後はかなり狭いエリアとなり、リング外のダメージも大きい。まるで早く接敵しろと言わんばかりのゲームデザインになっており、勝っても負けても退屈とは無縁の戦いを楽しめるのだ。


アリーナモードは初心者から上級者まで楽しめる

以上のように、アリーナモードは、バトルロイヤルの特徴である試合開始時の公平性、一般的なFPSのチームデスマッチで味わえるコンパクトな競技性、そしてプレイヤーを退屈させない『Apex Legends』特有のスピード感の3つを兼ね備えており、それぞれが高い次元で組み合わさっているのだ。約3時間の先行プレイを経た今、アリーナモードはプレイヤーの戦闘欲求をこれ以上なく満たしてくれる内容に仕上がっていると断言できる。

また、アリーナモードでは1マッチ中に何度も戦闘に挑めるため、初心者が撃ち合いを練習する場所としても活用できそうな印象を受けた。昨今の『Apex Legends』はサービス開始から2年経っていることもあり、プレイヤーの知識やスキルが全体的に成熟しつつある。いまや初動即降りは日常茶飯事の光景となり、反対に閑散としたエリアに降りれば、まったく敵と出会わないうちに試合終盤に差し掛かっていることも珍しくない。そんな中で、もっと効率よく実践的な練習を積む場所が欲しいと感じている初心者の方も多いことだろう。

そこでアリーナモードの出番だ。冒頭で述べたとおり、同モードでは1マッチで最長9ラウンド戦うことになるため、必然的にバトルロイヤルモードよりも敵と撃ち合う回数が多くなる。さらにマッチで決着がつくまでは勝っても負けてもすぐに次のラウンドに移るので、かなり短いスパンで戦闘経験を積み重ねていけるわけだ。よって、アリーナモードは初心者の方、もしくはこれから『Apex Legends』を始める方にとっても非常に有意義な戦闘を楽しめるコンテンツになっていると筆者は感じた。


総じてアリーナモードは、『Apex Legends』にまったく新しい風を吹き込んでおり、本作の初心者から上級者まで幅広い層の期待に応えられる内容となっていた。間口は広く、奥が深い。3時間のプレイでの感想になるが、アリーナモードを一言で表現するとしたら、上記のような言葉が当てはまりそうだ。開発元によると実装後もアップデートを重ね続けていくといい、新たなマップやランクモードの追加なども検討しているようだ。『Apex Legends』らしいスピーディーな展開をベースに、コンパクトにまとまったアグレッシブな戦闘体験を、一刻も早く読者の皆さんにも味わってもらいたい限りだ。

『Apex Legends』新シーズン「英雄の軌跡」は、現地時間の5月4日開幕予定。なお、先行プレイにて判明した新シーズンにおけるマップとレジェンドの詳細はこちらの記事、武器の詳細についてはこちらの記事にまとめている。これらのレポートもぜひチェックしてほしい。

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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