マイクロソフトは4月21日、Xboxコンソール向けのサブスクリプションサービス「Xbox Live Gold」の仕様を変更した。これにより、基本プレイ無料のオンラインゲームをプレイする際には、同メンバーシップへの加入が不要になった。
Xbox Live Goldは、Xboxコンソールにてオンラインマルチプレイなどのネットワーク機能を利用するためのサブスクリプションサービスだ。加入者には特典として、毎月複数のゲームがプレゼントされるほか、ゲーム購入時に特別な割引も適用される。
すなわち、Xbox Series X|SやXbox One向けゲームにおいてオンラインでの対戦や協力プレイをするには、月額料金を支払いXbox Live Goldに加入することが必要。そして従来は基本プレイ無料のオンラインゲームに対しても加入が義務付けられており、文字どおりの“基本プレイ無料”になっていなかった。同様のサブスクリプションサービスを提供する他プラットフォームでは、基本プレイ無料タイトルには加入を求めていないこともあり、この仕様はXboxユーザーの不満の対象となっていた。
マイクロソフトは今年1月、Xbox Live Goldの加入にかかる月額料金の値上げを発表。しかし、実質2倍となる大幅値上げにユーザーからの批判が殺到し、翌日に撤回した(関連記事)。この際に同社は、基本プレイ無料タイトルをプレイする際のXbox Live Goldへの加入を不要にする方針も示し、今回正式に適用されることとなった。
現在Xbox Series X|S/Xbox One向けには、『Apex Legends』や『フォートナイト』『Call of Duty: Warzone』『ロケットリーグ』『Destiny 2』などが、基本プレイ無料タイトルとして国内配信中。今後は、こうしたタイトルをオンラインでプレイするための、Xbox Live Goldへの加入は不要である。また、オンラインプレイのある無料体験版に関しても加入不要。ただし、時折実施されている週末フリープレイに関しては、対象タイトルにオンラインプレイがあるなら加入が必要だ。
今回の仕様変更に合わせて、これまでXbox Live Gold向けの機能だった「グループを検索」と「パーティー」もすべてのユーザーに開放された。「グループを検索」は、コミュニティ内で同じような目的や興味を持つプレイヤーを探すための機能であり、仲間が集まったら「パーティー」を結成してチャットやゲームを一緒に楽しむこともできる。
2019年までマイクロソフトのXbox Live担当コーポレートバイスプレジデントを務めたMike Ybarra氏によると、オンラインプレイをするためにXbox Live Goldへの加入をユーザーに求めることについて、これまで社内では何度も廃止が検討されてきたという。同氏はこの前段に、基本プレイ無料タイトル向けの廃止にも言及しており、こちらについても検討されていた可能性がありそうだ。
先述した今年1月の発表は突然の方針転換だったが、マイクロソフトとしてはいつでも切れるカードとして用意していたのかもしれない。いずれにせよ今回のXbox Live Goldの仕様変更は、基本プレイ無料タイトルを中心に楽しんでいるXboxユーザーに歓迎されることだろう。