『ポケモンGO』は課金主義になったとの議論が海外コミュニティで過熱。大きな商業成功が見せる影


サービス開始から高い人気を維持する位置情報ゲームアプリ『Pokémon GO(ポケモンGO)』について、海外コミュニティにてある議論が熱を帯び注目されているようだ。

Redditの『ポケモンGO』コミュニティにて4月16日、本作は「この数年間で信じられないほどPay-to-Winかつ反消費者主義的になった」と主張する投稿がおこなわれた。本稿執筆時点で、1万1000件を超えるUpvote(支持)と、1000件近いコメントがついている。


投稿主であるRedditユーザーGabeBit08氏は、『ポケモンGO』のサービス開始当初について、ほとんど機能がなく欠点も存在したものの、ポケモンの出現バランスが良く、近くにカイリューが現れると大いに盛り上り楽しかったと振り返る。

一方現時点での本作はというと、ポケモンが見つけやすくなる足跡機能はなくなり、出現するポケモンのバリエーションは少ないと述べる。レアなポケモンはタマゴやレイドバトルに隠され、見つけることもフィールドリサーチのタスクをこなすことも難しく、またキラポケモンにいたってはイベントに1回登場したかと思えば次は1年後。さらにバグも多く、新たに実装された機能が別の機能を破壊していると指摘する。

GabeBit08氏は、こうした状況は本作が大きな成功をおさめていることが原因のひとつだと主張する。調査会社Sensor Towerによると、本作は毎年数億ドル規模の売り上げを記録しており、2020年には10億ドル(約1090億円)を突破したという。ただ同氏は、開発元Nianticはその潤沢な資金を本作にほとんど投じず、利益を上げるためにゲームをより良くするという状況にもないと断じている。

*タマゴはルートボックスだと指摘されることもあるが、その仕様は一部調整へ。


Nianticの資金の扱いや開発へのモチベーションについては実際のところは分からないが、Redditでは多くの共感を得ており、本作に限らず成功した作品について思うところがあるようだ。また『ポケモンGO』のサービスに関して、ほかの不満を述べる投稿もある。たとえば、フィールドリサーチの大発見リワードから伝説のポケモンが削除されたことや、不要なタマゴを捨てられない仕様への不満には、同意する意見が多数寄せられている。

一方で、Pay-to-Winすなわち少額課金を前提にしたゲームデザインであるという主張には、一部の有料イベントや孵化確率などへの不満もあるが、基本的なコンテンツは無料でいくらでも遊べるとの異論が見られる。また、Nianticがコミュニティの要望に耳を傾けていないわけではないと擁護する意見もあれば、同社はバランス調整が極端だと指摘する者もいて、それらからさらなる議論へと繋がっている状況だ。

いずれにせよ、彼らに共通するのは『ポケモンGO』の熱心なファンであるということ。最初の投稿をおこなったGabeBit08氏も不満を書き連ねたが、今もプレイし続けているという。本作は特別な存在になり得るポテンシャルがあるため、より良くなってほしいという願いから今回投稿したとのこと。投稿を受けてNianticが即座に動く可能性は低いかもしれないが、コミュニティにて日々おこなわれているこうした議論には、同社も注意を払っていることだろう。