『キングダム ハーツIII + Re Mind』PC版で怒涛のドナルド。老舗シリーズがMod職人たちに“イジられ”まくる

 

PC版『キングダム ハーツIII + Re Mind』(以下、KH3)にて、奇妙なムーブメントが生まれているようだ。スクウェア・エニックスは3月30日より、『キングダム ハーツ』シリーズ4作品をEpic Gamesストアにて配信開始した(関連記事)。映像化されたものも含めてシリーズの主要作品がおおむね網羅されており、メインストーリーから外伝までをPCにて体験できるようになった。その中に含まれていたのが『KH3』である。ナンバリング第3作目であり、「ダークシーカー編」を締める作品だ。主人公ソラが仲間とともに「目覚めの力」を取り戻すため、 さまざまなディズニーのワールドを旅する冒険が描かれる。 

大作のPC版が発売されたとき、宿命的について回るのが、ユーザーが作成するModの存在だ。『キングダム ハーツ』シリーズも初のPC版をリリースしたことで、Mod職人たちによる洗礼を受けている。作例のひとつが、「Hanging out with hundreds of Donalds(数百のドナルドとブラブラ)」と題された動画だ。同氏の作品では、ソラの相棒のひとりドナルドが大変なことになっている。ソラの背後を何百人というドナルドが群れをなしてついてきているのだ。それぞれのドナルドがワールドごとの衣装をまとっており、非常にバリエーション豊か。一応グーフィーもいることにはいるが、なぜか大量発生してしまった相棒に揉まれながら真顔で立ち尽くす姿が何ともいえない。 

GPUへの負荷を考えると恐ろしい光景だが、動画の1分30秒ごろからはさらなる挑戦が。ダーク・リクとサイクスをフィールドに呼び出し、ドナルドたちと対決させているのだ。数多のドナルドに対し無双もかくやというバトルを繰り広げているが、どのドナルドもおもちゃのように吹っ飛ばされるだけでまったく効いていない光景がシュールである。ちなみにドナルドたちは単なるモックではないらしく、ソラとの連携技でフレアフォースを繰り出している。ただでさえ処理落ちしまくっている画面に、さらなる緊張が走る瞬間である。動画は4分をすぎた過ぎたあたりで強制終了。投稿者のPCが限界を迎えたとのことだ。 
 

 
上記の動画は「C-MenuMod」と呼ばれるModを利用して撮影されたものだ。同Modは好きな仲間やエネミーを呼び出すことができ、操作キャラクターも『KH3』に登場するプレイアブルな人物なら自由に切り替えられるというもの。無敵状態になるGod Modeや戦闘アクションも実装されているため、使い方次第では笑える映像だけでなく夢のバトルも再現できそうだ。もっとも、Mod作者も自身の作品が無限ドナルドに昇華するとは思ってもみなかっただろう。 

『KH3』のModはこのほかにも隆盛を極めている。もっともよく見られるのはスキン変更にまつわる改変で、ソラのキーブレードをゼアノートのものにすり替えたり、衣装をヨゾラ風のものに差し替えたり、好き放題で楽しげな作例が数多く誕生している。快適性向上を企図したものとしては、起動時のディズニー・スクウェアエニックスのロゴをスキップするModも存在。またシュールな例として、「タイトルスクリーンの水面を血の池に置き換える」という用途不明の作品も投稿されている。 
 

Image Credit : HarukiEchoB

 
さかのぼれば『キングダム ハーツ』第1作目が発売されたのは2002年のこと。シリーズは足かけ20年になろうとしているわけだ。長らくコンソール限定タイトルだっただけに、今になって老舗ゲームが自由で混沌としたModで賑わいを見せているのはなかなか新鮮な光景でもある。Mod職人としては合法的にディズニーキャラクターを“イジれる”機会とあって、改造心がくすぐられるのかもしれない。まだまだ愉快な『キングダム ハーツ』Modコミュニティは成長を遂げていくことだろう。『KH3』はじめシリーズ作品PC版は、現在Epic Gamesストアにて配信中だ。