『あつまれ どうぶつの森』の「立体マイデザイン」が進化し続ける。アプデにより天才たちの発想が止まらない

『あつまれ どうぶつの森』のマイデザイン業界のアーティストたちはみな、四角いモチーフに夢中だ。『あつまれ どうぶつの森』のアプデにより新たな可能性が開かれている。

『あつまれ どうぶつの森』は今、「四角い」。マイデザイン業界のアーティストたちはみな、四角いモチーフに夢中なのだ。発端となったのは、国内のデザイナーまや氏が先月発表した革新的な作品だ(関連記事)。無料アップデートVer.1.9.0で追加された「かさ」のマイデザインを使うことで、まるで立方体型の小屋が室内に置かれているかのようなトリックアートを生み出す技術。六角形のキャンバスを利用したこのアイデアはマイデザイン界に一躍センセーションを引き起こし、フォロワーとなる作品が急増した。4月に突入してもその勢いはとどまることを知らず、日々進化を続けるデザインは「かさトリックアート」というべき新ジャンルを確立しつつある様子だ。 

かさトリックアートの発展の方向のひとつは「立方体」のフォーマットに添いつつ、いかにそこから抜け出すかという洗練に見られるだろう。いいかえれば、箱型を活かしつつ凹凸を見せる工夫に職人の技が光る。その好例が、ユーモアあふれるデザインを考案している国内のデザイナーちくわ氏だ。先月末に発表したデザインは、某「100人乗っても大丈夫」な物置を再現。有名コマーシャルを愉快に再現しつつ、箱の上に小さな人々が乗った「凸」感と物置の中に自動車がしまわれた「凹」感を組み合わせ、ただの立方体にとどまらないディティールを生み出している。また同月に続けて発表したかさアートは、大胆にもデザインの下半分を「空洞」として表現する奇手に出た。歪みを計算した上で表現された机の下の少年と合わせて、独特の奥行きを描き出すユニークな作品となっている。
  

 

 
『あつまれ どうぶつの森』プレイヤーが愛してやまないものがある。それは「生活感」だ。「キッチンつるし」に「みずきりラック」に「マグカップ」など、そこで暮らす住民の息づかいを感じられるアイテムの数々。理想の島でもうひとつのライフをシミュレーションする島民にとって、ちょっと所帯染みているくらいにこまごましたインテリアは魅力的な品として映るのだ。そして、そんな生活感をより上質に醸成してくれるのが国内のデザイナーKayana氏のデザインである。きちんと畳んで積まれた洋服の山に、慎ましくランドリーにたたずむリネンのかご。いずれも立方体のフォーマットを保ちつつ、微妙な凹凸を表現することで柔らかな風合いを表現。角張りすぎない、オーガニックな部屋にも馴染むインテリアに昇華している。積まれた洋服のテイストを変えれば、エッジーなブランドショップなどにも応用できそうだ。 
 

 
海外勢も負けていない。たとえばあるユーザーが投稿したのが、『マインクラフト』のブロックだ。立方体ネタとしては王道ながら、その有無をいわさない「実在感」が評価を集めている。ただの箱といってしまえばそれまでだが、目を凝らすと、ドットの肌理が細やかに表現されていることが分かるだろう。原作への愛をうかがわせる忠実な再現度である。ディティールの再現度でいえば、別のユーザーが投稿したアートも目をみはるもの。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』における宝箱がそのままデザインになっているのだ。発光エフェクトや、年季の入った箱の質感がドット絵の粋を凝らして描きだされており、無人島をあっという間に祠に変えてくれる風合いとなっている。もはや現在、かさのデザインを応用すれば立方体のオブジェクトは何でも表現できるといえそうな隆盛ぶりをきわめている。 
 

 

 
大元はひとりのアーティストの一作品から、爆発的な発展を遂げている『あつまれ どうぶつの森』のかさトリックアート。今なお活気に満ち溢れるファンコミュニティのエネルギーを示す一例だといえるだろう。かさが活躍する季節はまだ先ながら、今後も個性が光るデザインの登場に期待したいところだ。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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