『Apex Legends』のサブマシンガン事情について、興味深い情報が明かされている。リードゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏によれば、本作に登場するSMGのうち、「R-99」よりも「オルタネーター」の方が勝率で優っているのだという。
R-99といえば、本作屈指の人気武器だ。最大の特徴は、何といってもフルオート武器最速の連射速度。200近いDPSを誇り、近〜中距離相手の撃ち合いではまず負けない高レートを誇る。マガジン装填数がデフォルトで20と少なく、弾もちの悪さは否めないものの、全弾命中すればある程度硬いアーマーも割ってしまえるパワフルさが魅力だ。一時はケアパッケージ武器となり戦場で見かける機会は減っていたが、昨年11月のシーズン7より晴れて通常ドロップ武器に復帰。同じサブマシンガンであるボルトと並び、鉄板武器の2強としての地位を確立していた。
一方オルタネーターは、本作でも比較的レアリティの低いサブマシンガンだ。腰撃ちによる拡散はかなり小さく、反動もかなり制御しやすいのが特徴。単発弾の威力はSMGの中でも最高の威力を誇り、序盤のお供にはもってこいの武器だ。シーズン8より基本ダメージが15→16に上昇したことで、その存在感はさらに増している。反面、連射が遅いという弱点があり、DPSはどうしてもほかの武器から見劣りする。初動で見つければ頼りになるが、終盤まで持っていくにはどうしても頼りない……というのがオルタネーターの一般的な評価だろう。
鉄板強武器のR-99と、低レアリティのオルタネーター。両者を比べればどう見てもR-99の方が優れた武器に見えるが、勝率を見てみるとオルタネーターに軍配が上がるのだという。ここでいう勝率とは、いわゆる「エンカウント勝率」。対象の武器を使用している人が相手をダウンの数と、逆に同武器を使用している人が相手からダウンさせられた数からはじき出される割合のことだ。
では、実際問題として「オルタネーターはR-99より強い」と言えるのだろうか。ここに関しては、Klein氏が待ったをかけている。両者の勝率の違いは、それぞれの武器が使われるシチュエーションから影響を受けているようだ。R-99はその威力の高さから、試合の終盤まで継続して使用されることの多い武器。互いのアーマーも成長し、苛烈なシチュエーションも増えることから、いくら強武器を携行していてもダウンを取られることが少なくない。
一方オルタネーターはというと、活躍する場面は主にマッチが始まって間もないタイミング。周囲のプレイヤーがP2020やモザンビークなど威力の低い武器を使用している間に、オルタネーターが幅を効かせることが多いのだ。そして次第にプレイヤーたちがより高威力の武器を手に入れるにつれ、オルタネーターも手放されていく。オルタネーターがR-99のような比較的ハイティアの武器と相見えることはそうそうないわけだ。
すなわち、R-99が試合後半の過酷な状況まで携行されやすいのに対し、オルタネーターは初動の互いにレベルの低い状態で使われるのが主。当然プレイヤーたちのアーマーレベルも低いため、相手をダウンさせやすい。こうした得意シチュエーションの違いから、勝率だけ見るとあたかもオルタネーターがR-99より強いように見えるのだろう、とKlein氏は語っている。
なお武器としてのピックアップ率や、ピック率に対する平均ダメージの値としては、やはりR-99が強さを見せているという。弾もちの悪さや反動の難しさはあるものの、やはり圧倒的なDPSはレジェンドたちを魅了して止まないようだ。これまでもレジェンドごとの勝率やピック率が明かされたことはあるが(関連記事)、武器に関してのデータが明かされることは比較的難しい。今後も興味深い情報の開示に期待したいところだ。