『PUBG LITE』4月29日にサービス終了。“お客さまにご満足いただけるサービスの提供が困難”なため
KRAFTONは3月30日、同社の大ヒット作『 PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の無料/軽量版である『PUBG LITE』のサービス終了を発表した。4月29日14時をもって『PUBG LITE』はサービス終了される。
KRAFTON(もしくはBluehole/PUBG Corp.)はオリジナル版『PUBG』を2017年にSteamにて早期アクセス配信開始して以降、コンテンツ強化を進めながら同作をXbox One、PlayStation 4に順次移植。そして2018年にモバイル向けの『PUBG MOBILE』をリリースするなど、コアユーザー向けのオリジナル版だけでなくカジュアル層向けの展開を続けてきた。
*『PUBG MOBILE』トレイラー
そして2019年12月13日に国内でリリースされた『PUBG LITE』では、『PUBG』を低スペックPCでもプレイできるようソフトの軽量化が図られた。2012年に発表されたIvy Bridge世代のCPU内蔵グラフィック(Intel HD Graphics 4000)でも動作するほど、軽いゲームであったわけだ。
『PUBG』より画質やテクスチャの質を抑え、『PUBG MOBILE』より影の描写などをリアルにしたものが『PUBG LITE』といえる。グラフィックスは両者の中間にあるが、ゲームシステムはカジュアル層向けらしく『PUBG MOBILE』を踏襲しており、ポップなオリジナル衣装の実装やボイスカード、専用マッチのモードが用意されていた。
また、オリジナル版『PUBG』に先がけてBOTを実装したことも特徴だ。オリジナル版でのBOT実装が2020年のアップデート7.1を待ったのに対し、『PUBG LITE』は2019年当初よりBOTを導入している(『PUBG MOBILE』では2018年リリース時に実装済み)。オンラインゲームには長いマッチング待機時間が付き物だが、『PUBG LITE』はマッチに BOTを導入することで結果的にマッチングの待機時間を短縮することに成功した。また、対人よりも撃破しやすいBOTを導入することで、初心者も参入しやすい仕様となっていた。
効率的なマッチングの役に立つ BOT だが、その数が多くなると話が変わってくる。『PUBG LITE』の BOT は銃を撃つ際には棒立ちになる仕様で、弾を撃たれても回避しない。射撃の精度も良くないことから、撃たれてから反応して撃ち返しても勝てる場面が多くなる。初心者に優しい仕様だが、マッチ中に出くわす相手の大半が BOT だと面白くない。本作プレイヤーによる「BOT が多すぎる」という意見もSNSでは散見された。コアユーザー向けとカジュアル向けの中間に位置する『PUBG LITE』だからこそのジレンマといえるだろう。
そうした状況もある中、昨年12月にはゲーム内有料通貨「L-COIN」のチャージシステムを段階的に終了し、完全無料ゲームに転換するなど、徐々に『PUBG LITE』 はその規模を縮小してきた。KRAFTONは3月30日に公式サイトを通して「今後お客さまにご満足いただけるサービスの提供が困難」であるとしてサービスの終了を発表した。ゲームのダウンロードはできなくなっているが、4月29日の14時まではゲームサービスが続くようだ。最後にもう一度だけドン勝を目指しても良いかもしれない。