マイクロソフトが、Xbox関連デバイス向けオンラインサービス「Xbox Live」について、「Xbox network」へとブランドを変更するようだ。海外メディアGame Informerなどが報じている。
Xbox Liveは、初代Xboxの頃に登場したオンラインサービスで、その後発展を続けながら現行のXbox Series X|SやPC・モバイル向けに展開している。オンラインマルチプレイのマッチングから、フレンドや実績、チャットなどのコミュニティ機能、アカウントの管理までを総合して提供しており、マイクロソフトのゲーム事業の根幹をなすサービスのひとつである。
そのXbox Liveについて、今年3月になってある変化が確認され始めた。Xboxコンソール上のメッセージなどで、これまで「Xbox Live」と表示されていた所が「Xbox network」に置き換えられたのだ。この変化をもって「ブランド変更が実施されるのでは」と噂されるようになった。なお、上のツイートにあるキャプチャ管理画面での表記については、筆者の環境ではまだXbox Liveと表示されている。地域あるいはユーザーごとに段階的に更新されるのかもしれない。
これまでには、Xbox Liveにまつわる変化がほかにも見られた。Xbox公式サイトでは、Xbox Liveの個別ページの内容がXboxアカウントの紹介に置き換えられ、Xbox Liveの機能だけでなく、サブスクリプションサービスXbox Game Passなどを含むオンラインサービス全般のページに刷新された。マイクロソフトのサービス規約においては、Xbox Liveの項目がなくなり「Xbox」に変更。規約内容からもXbox Liveという言葉は消え、代わりにXboxオンラインサービスと表現されている。
また、ゲーム購入にてポイントを獲得できるXbox Liveリワードは、Microsoft Rewardsへと移行。さらに、各オンラインサービスの稼働状況を示すサポートページへの各ページからのリンクについて、かつては「Xbox Live ステータス」と表記されていたが、現在は「Xbox ネットワーク ステータス」となっている。このように、さまざまな場所でXbox Liveという表記が姿を消していっている状況にある中で、大元であるオンラインサービスの名称にまで変化が及んだのだ。
マイクロソフトは3月23日、Xbox Liveのブランド変更の噂を報じた一部海外メディアに対して声明を発表。先述したサービス規約の更新にも触れながら、Xbox LiveからXbox networkへの名称の変更を進めていることを認めた。同社は、Xbox networkはXboxのオンラインサービスのことを指しているとした上で、この変更は「Xbox Live Gold」と区別することが目的だと説明している。
Xbox Live Goldは、Xboxコンソール向けの有料メンバーシップサービスだ。加入すると、オンライン対戦を含むXbox Liveのオンライン機能をフルに利用できるほか、毎月複数のゲームを無料で入手できたり、ストアにて割引が適用されたりといった特典がある。
このメンバーシップ名との区別を明確にするというマイクロソフトの意図は不明だが、現在Xbox Liveを通じてはさまざまなサービスが提供されている。その中でも、定額遊び放題サービスのXbox Game Passについて近年同社は強く推し進めている。ただ、Xbox Live Goldに加入してもXbox Game Passは利用できず、専用のプランにて加入する必要がある(プランによっては逆は可能)。オンラインサービス名を冠するメンバーシップに、同サービスのもとで提供されているコンテンツへのアクセス権がないことは、分かりにくいといえなくはない。
Xbox Liveという名称は、特にXbox 360の時代には幅広く使用されていた。ストア名はXbox Liveマーケットプレースであり、そこで配信される比較的小規模なインディーゲームには、Xbox Live ArcadeやXbox Live Indie Gamesといったカテゴリ・開発者向けプログラムが存在した。しかし現在は、ストア名についてはMicrosoft Storeに変わり、インディー開発者向けプログラムはID@Xboxとして提供されている。
そして今回、オンラインサービスの名称からもXbox Live表記が消える方針であることが明らかになった。マイクロソフトが今年1月にXbox Live Goldの加入料金の値上げを発表(のちに撤回)した際には、Xbox Live Goldも含まれるXbox Game Passの上位プランへのユーザーの移行を促す狙いがあるのではと囁かれた(関連記事)。今後Xbox Liveという名称は、Xbox Live Goldというかたちで存続するのか、あるいは同メンバーシップでも何らかの方針転換がおこなわれるのか、同社の動向が注目される。