機械と狂気のソ連FPS『Atomic Heart』新トレイラー公開。超高精細なフォトモードでぬらぬら光るメカを堪能
ロシアのインディースタジオMundfishは3月22日、『Atomic Heart』の新映像を公開した。本作のフォトモードに焦点を当てた映像となっている。
『Atomic Heart』はソビエト連邦をモチーフとした架空の国が舞台のFPSだ。連邦政府では、最高機密施設「3826」からの連絡が途絶える事態が発生。状況を調査すべく、主人公「P-3」は特別調査官として現地に向かう。しかし3826は、無数のロボットが暴走する危険地帯に変貌していた。さらに施設には、ある博士の実験により死人が歩き回っていたという怪しげな噂もはびこっている。果たして3826で何が起きたのか、真相を探るべくP-3は狂気の世界へ挑む。
新映像は、何やら薄赤色のぶつぶつしたものの表面を映したクローズアップから開始する。徐々に引いていくカメラ。視点が移動していくと、やがて巨大な人の唇や鼻がカットインしてくる。すなわちこれは、ごく拡大した人間の顔だったのだ。毛穴のひとつひとつや、きれいに剃られたヒゲの跡までさやかに確認することができる。さらにカメラが引いていくと、画面の人物が武器を構えて叫びを上げるP-3の姿であるようだ。このとき、武器の排熱により奥の画面が歪んで見える点や、立ちこめる煙のディティールまで描写されている点に注目したい。
画面は大きくアングルを回転させ、P-3の周囲の状況がよくわかるようになってくる。彼が戦っているのは、戦場には似つかわしくない手入れされた庭園の真ん中。無数の小型ドローンが宙を舞っており、P-3の正面には今にも巨大な岩石を投げようという二足歩行のロボットが対峙している。このとき、環境の光表現に注目してみよう。屋外で降り注ぐ日の光、飛び交うレーザー光線。いくつもの光源による反射や影の変化が、ロボットの金属的な質感をなまめかしく照らし出している。地面の水たまりや、遠景に見える巨大なソーラーパネルらしき構造物の表面にもくっきり反射の像が映っているのもポイントだ。
これらはすべて、レイトレーシング技術やDLSSによる恩恵。RTXに対応した本作では、精細な光や反射の表現を隅々まで味わうことができる。次世代コンソールや相応スペックのPCがあれば、映像で観られる緻密な表現の数々を実際にゲームプレイ内で堪能することができるというわけだ。今回のトレイラーは「フォトモードトレイラー」と銘打たれているため、実際にゲーム内でもワンシーンを撮影してディティールを観察することができそうだ。なお映像のバックでは「ワクチン接種」にまつわる連邦のプロパガンダらしき放送も流れており、ストーリーの謎に迫るトレイラーとしても興味深いところだ。
『Atomic Heart』は、PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/ PC(Steam)にて発売予定だ。リリース時期や価格などは今のところ未定となっている。