SIEが世界最大規模の格闘ゲーム大会「EVO」を共同買収。8月にオンラインイベント「Evo Online」を開催、他機種タイトルも受け入れる
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは3月19日、Endeavor社のeスポーツ担当シニアバイスプレジデントStuart Saw氏がCEOを務めるRTS社と共同で設立した合弁会社を通じて、世界最大規模の格闘ゲーム大会「The Evolution Championship Series(EVO)」を買収したと発表。また、米国現地時間2021年8月6日〜8日・8月13日〜15日に、完全オンラインのイベント「Evo Online」を開催することも併せて発表した。
【UPDATE 2021/03/19 9:10】
記事タイトルを、共同買収と明記するよう修正。
EVOは、Tom Cannon・Tony Cannon両氏によって設立され、約25年の歴史を持つ世界最大規模の格闘ゲーム大会だ。毎年メイン・サイドトーナメントにて、『ストリートファイター』や『鉄拳』『THE KING OF FIGHTERS』『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなど、さまざまな格闘ゲームにおけるトップ選手たちの戦いが繰り広げられてきた。
SIEはPlayStationプラットフォームを展開しているが、同プラットフォームにおいて格闘ゲームは非常に人気が高く、2020年だけでも11億時間以上プレイされているという。今回EVOを共同で買収したRTS社は、eスポーツのイベント運営、ブランドやデベロッパーのコンサルティング、ゲーム人材マネジメントを専門とする会社で、グローバルにエンタテインメント事業・スポーツ事業・コンテンツ事業を展開するEndeavor社を含む投資家からの支援を受けているとのこと。そして、今回のパートナーシップは新たな協業のかたちであり、それぞれのリソースと専門性を結集することで、EVOのグローバルな普及拡大を推進し、このアイコニックなゲーム大会のファンエンゲージメントの向上に努めていくとしている。
なお、SIEがEVOを買収したことで、一部のファンの間では『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『Killer Instinct』など、PlayStationプラットフォーム以外で展開しているタイトルが大会の競技種目から除外されるのではと危惧する声が聞かれる。これについて、EVOのグローバルビジネルデベロップメント担当ディレクターを務めるマークマンことMark Julio氏は、EVOは引き続きすべてのプラットフォームのタイトルを受け入れると表明。SIE・RTS両社は、各格闘ゲームとそのコミュニティをこれまでどおりサポートするとのことだ。
そして今年8月6日〜8日・8月13日〜15日に開催される「Evo Online」では、『鉄拳7』『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』『GUILTY GEAR -STRIVE-』『Mortal Kombat 11 Ultimate』が対戦種目に採用。北米・ヨーロッパ・アジア・中南米地域にて、オープントーナメント方式にて大会が実施される(『Mortal Kombat 11 Ultimate』についてはアジア地域は除外)。参加費は無料で、大会の模様はライブ配信される。
EVOは、新型コロナウイルスの影響により2020年のオフラインイベントを中止し、オンラインイベント「EVO Online 2020」への移行を決定。しかし、CEOのJoey Cuellar氏がセクシャルハラスメントの告発を受けたのち職を追われ、出展メーカーが相次いで撤退。結果的にオンライン大会も中止を余儀なくされた。今回の買収に際してEVOは、いかなるハラスメントや虐待行為も許容しないとし、またコミュニティの人々が尊敬・尊厳・品位をもった扱いを受けるような予防的措置も講じると宣言。SIEとしても、プレイヤーにとって安全でインクルーシブなゲーム環境を構築していくことを支持すると表明している。