養蜂ライフシム『APICO』無料デモ版がSteam等で配信中。ドット絵の世界でハチを捕まえ、蜜を採取するクラフト生活
インディーデベロッパーのTNgineersは3月12日、開発中のライフシミュレーション『APICO』のパブリッシャーとしてWhitethorn Digitalと契約を結んだことを発表した。同作は現在、Steamにて無料デモ版を配信中。対応プラットフォームはPC/Mac/Linux(Steam/itch.io/GameJolt)で、製品版のリリースは今年10月を予定している。
『APICO』は「養蜂」をテーマとしたライフシムゲームだ。プレイヤーはドット絵で描かれる環境で野生のハチを集め、大工仕事に励み、養蜂場の建築に励むこととなる。自動生成される世界には各地にハチの巣が点在。プレイヤーは環境によりさまざまな種類のハチを採集することが可能だ。登場するハチの種類は数百種類にもおよぶという。場所によってさまざまなバイオームが存在し、その土地の植物相・動物相によって出現するハチも異なっている。数多くのハチを収集すべく広大な箱庭を探索することが、『APICO』の楽しみのひとつだ。
デモ版では最初に木製の斧が与えられるため、フィールドに広がる森林からとにかく木材を調達しよう。移動が困難なほどの木々が生い茂っているため、資源が枯渇するということはないはず。ただし初期装備の宿命として伐採にはかなりのマウスクリック連打力が試される。獲得した丸太は、専用の台で角材として整形可能。さらにそこから、巣箱や巣枠といった養蜂器具を作り出すことが可能だ。巣箱にハチを2匹投入すると、女王バチを誕生させることができる。異なる種類のハチを入れることで交配することも可能だ。ハチごとのステータスを掛け合わせて理想的な個体を生み出すこともできるし、突然変異で新種が生まれることも。本作の交配は実際の科学者のお墨付きを受けているとのことだ。
女王バチが誕生した巣箱に空の巣枠を設置しておくと、一定時間で巣枠が蜜で満ちて蜜巣ができる。蜜巣に貯まった蜜は、まず分離器と呼ばれる器具で中身を押し出そう。その後、蜜こしで純化すれば、蜂蜜や蜜蝋といった生産物を獲得することができるのだ。収穫した品物は街で換金し、さらなる施設拡大のために投資できる。拠点となる養蜂場では、道を舗装するなど、さまざまな建築要素をカスタマイズすることが可能だ。絵本のようなビジュアルに似つかわしい小ぶりな農場を営むこともできるし、大規模伐採を敢行して効率最優先の工業主義に走ることも可能だという。テクノロジーを発展させていけば、時計仕掛けや蒸気機関で動く機械も生み出すことができるとのこと。
開発を手がけるTNgineersは、Elliott氏・Jamie氏の兄弟によるスタジオだ。『マインクラフト』のModなどカジュアルなクラフトゲームにインスピレーションを受けたという両氏。リラックスできる雰囲気や、教育要素もある作品を制作しているとのことだ。『APICO』についても現実世界におけるハチとエコシステムの関係から着想を得ており、本作の売上の一部はハチの保護活動をおこなう団体へ寄付されるそうだ。
『APICO』はPC/Mac/Linux向けに、Steam/itch.io/GameJoltにて無料デモを配信中。日本語対応はしていないものの、ゲームテンポが非常にゆっくりしているため、辞書を片手にプレイするのに苦を感じないレベルだ。序盤からできることは多いが、チュートリアルによるガイドがしっかりしているため迷いにくい印象。ハチと過ごすオーガニックライフに興味があれば、遊んでみてはいかがだろうか。