『スマブラSP』桜井政博氏Twitterアカウントに認証済みバッジ付与。迷惑行為をしてきた“なりきりアカウント”に打撃

 

大乱闘スマッシュブラザーズ』(以下、スマブラ)シリーズディレクターの桜井政博氏は3月10日、自身のTwitterアカウントに認証済みバッジがついたことを発表した。認証済みバッジは、アカウントユーザーが「本物」であることを示すもの。権威付けのような意味合いもある認証済みバッジは、著名人や企業アカウントにとっては、特に重要なものだろう。桜井氏にとってはとりわけ大きな意味を持つかもしれない。


桜井氏といえば、大人気ゲーム『スマブラ』の生みの親であり、開発の中心人物としてその言動が注目されている。もともとクリエイターとしての人気が高く、投稿するツイートや画像もウィットに富んでいる。さらに『スマブラSP』に現在進行系で関わっているということで、何かつぶやくたびに、次の参戦キャラの示唆ではないかと勘ぐられている。同氏は自身のTwitterにて参戦示唆をすることはないと繰り返し説明しているが、その言動はファンの注目を集めている。

そんな桜井氏の影響力を逆手にとった、“なりきりアカウント”が存在している。「櫻丼政博」を名乗るアカウントは、あたかも桜井政博氏であるかのようなアイコンや名前で活動している。『スマブラSP』に関するおふざけ画像を投稿したり、下品なテキストを投稿をしている。プロフィール欄には「糞コラ(Kora)代表」「すみませんが、これはパロディーアカウントです」といった説明をしているが、意図的にユーザーに誤解を与えようとしているのは明白。「櫻丼政博」という名前も本人と見間違うし、アカウントIDも「Sora_Sakuraii」とそっくり。別人だと明記しているという説明では、逃れられないレベルだ。


先日『スマブラSP』にて「ホムラ/ヒカリ」が実装された際には、セフィロスがホムラの胸を触るようなスクリーンショットをロゴ付きで投稿。1万2000以上のRTを獲得している。わざわざプロフィールを見る手間をかけない人がほとんどだと考えると、桜井氏本人が投稿したものと誤解してシェアしたユーザーもいるはず。そのほか、数多くの下品な投稿を続けている。桜井氏の知名度や影響力を借り、同氏や『スマブラ』のブランディング低下を招きかねない発信を続けるという意味で、極めて悪質なアカウントである。


しかしながら、桜井政博氏本人が認証済みバッジを獲得したことで、こうした誤解は少しずつ減っていくかもしれない。桜井氏は認証済みバッジを得たことを受けて「申請はしておらず、そもそもリクエストを受けていない状態だったと思うのだけど、いつのまに」とコメントしつつ、不器用に喜んでいる。


Twitterの認証済みバッジ付与は、2017年に停止して以来、しばらく審査受付が止まっている。2021年1月下旬に審査受付が再開されると予告されていたものの、直前になって延期。2021年には再開されると告知されているものの、実際のところいつから審査が再び始まるかわからない。つまり、正規ルートでは認証済みバッジがもらえない状況が続いているということだ。

桜井氏自身は申請していないと語っているように、同氏本人が何か動いたわけではないだろう。なりきりアカウントの被害を鑑みて、任天堂が裏で動いていたのかもしれない。もしくはTwitter社が気を利かせたのか。いずれにせよ、桜井氏にとってもファンにとっても認証済みバッジの付与は嬉しいニュースになりそうだ。また同じく影響力のあるコンポーザー古代祐三氏のTwitterアカウントも認証済みバッジを取得している。

桜井政博氏の認証済みバッジ獲得を受けて、なりきりアカウント櫻丼政博も反応。「Twitterは間違ったアカウントを認証した」「時代の終わり(End of an era)」といつものように冗談気味にコメント。認証済みバッジに似た、氷のアイコンを名前に隣に置くことで、誤解を誘おうとしている。もともと桜井氏からはブロックされている“公認迷惑アカウント”。本人は「ユーモアのあるパロディーアカウント」を自称しているが、下品なミームにはユーモアはなく、桜井氏本人やファンにとっては迷惑以外の何者でもないだろう。これを機に、誤解によるシェアが減ることを期待したい。


なお Twitterの認証済みバッジに関しては、審査受付が止まっている一方で、大企業のアカウントなどが新しく立ち上げられた際には、認証済みバッジがすぐに付与されるケースも散見される。 何かTwitter社にて独自の基準が設けられているのか、あるいはTwitter社とのパイプの有無が関係しているのか。ちなみに、AUTOMATONのTwitterアカウントには認証済みバッジはない。弊社の経営陣からは認証済みバッジを取得しろとしつこく言われているが、先述したように審査が止まっており、Twitter社に直談判するためのパイプもないため、いつまでたってもバッジがないままである。