ストラテジーRPG『Castlehold』基本プレイ無料にて配信開始。傑作ひらめきパズルの開発元、大規模レイオフを経て久々の最新作
インディースタジオ5TH Cellは3月3日、ストラテジーゲーム『Castlehold』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、基本プレイ無料タイトルとして遊べる。早期アクセス配信の期間は半年〜1年間を予定しているという。
『Castlehold』の舞台となるのは時空が崩壊した世界。広大な海には過去の王国や現代の都市の残骸が島となって漂流している。混沌が渦巻く中、ある潜在能力に目覚めた人類の一部が、世界征服の野望に乗り出す。プレイヤーは自身の軍隊を結成し、暴君たちに立ち向かう一派となるのだ。
本作のルールはシンプルで、ヘックスタイル状のフィールドで自軍を進め、相手の拠点(キャッスル)を攻め落とせば勝利となる。しかし『Castlehold』で鍵となるのが「アクティブ・リソース・コントロール(ARC)」と呼ばれるシステムだ。プレイヤーは進軍する間、各マスに存在する村から村人を確保することになる。人員を獲得することで、よりハイコストで強力な軍隊を呼び出すことが可能になるのだ。そのため、どのタイミングで敵軍の村に攻め込み、いつ撤退するかを見極めるのが重要な判断となってくる。
ユニットを増やすには、ランダムで選ばれる兵士をリクルートするか、コレクションにないユニットを1日に4体まで入手することができる。これらの採用活動は、レベルアップやクエスト達成により獲得できる通貨を利用しておこなうことになる。なお本作では、試合に勝っても負けても経験値が入手でき、レベルアップした際には報酬として通貨を獲得できるとのこと。またキャプテンは5名、戦場は4種類から無料で選ぶことが可能。早期アクセス配信時点で、雇用可能な兵士は300体。ゲーム開始時には、うち70体がアンロックされているという。ユニットやキャプテン、戦場は正式リリースに向けて暫時追加されていくようだ。
モードとしてはランクマッチやカジュアルプレイ、フレンド対戦が用意されているようだ。ユニットはクラス分類されていないため、自由に組み合わせて軍隊を組織することができる。課金すればユニットを早くアンロックできるためPay to Winな側面は否めないものの、時間さえかければアンロック費用を獲得できる構成はすでに一定の評価を得ているようだ。ただし、現状はバランス調整に難があり、初手になったプレイヤーが圧倒的に有利との声も。Steamレビューは本稿執筆時点で22件と数が少なく評価が難しいものの、賛否両論といった反応が並んでいる。
本作を手がけたスタジオ5TH Cellは、『Scribblenauts』シリーズを手がけてきたスタジオ(国内では『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』および『スーパー スクリブルノーツ』)。同シリーズは「プレイヤーが入力した単語のオブジェクトが何でも出現する」というアイデアが売りで、かわいらしくも斬新なパズルゲームとして人気を博してきた。
しかし2016年、モバイル向けの『Scribblenauts: Fighting Words』が開発中止となったことを受けレイオフを実施。その後リリースされた『Scribblenauts Showdown』は、AAAタイトルの開発協力実績を持つShiver Entertainmentが開発を手がけた(関連記事)。5TH Cell自体はスタジオ規模を大幅に縮小しつつゲーム開発を続けていることが伝えられており、その成果が久々にお目見えとなったかたちだ。かつてのヒット作から大幅に方向転換した最新作にて、ふたたびインディーの雄となれるか注目が集まる。