『バトルフィールド』シリーズ新作の開発には、EA傘下スタジオが独自タイトルを後回しにして結集。EAが明かす

Electronic Artsは3月1日、FPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの新作の開発環境についてコメントした。EA傘下スタジオが独自タイトルを後回しにして結集しているようだ。

Electronic Artsは3月1日、FPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの新作の開発環境について、海外メディアPolygonのインタビューに答えた。この中では、レースゲーム『Need for Speed』シリーズの新作についても触れている。

EAは、『Battlefield』新作を2021年のホリデーシーズンの発売に向けて開発中。どのような作品となるのかは、正式タイトルを含めまだ明らかにされていない。ただ、同社CEOのAndrew Wilson氏は今年2月の決算発表時の会見にて、軍隊による全面戦争へと回帰するとコメント。その真意は不明だが、一部では現代戦を描くのではとの噂もささやかれている。ちなみに、前作『Battlefield V』では第二次世界大戦の戦場を舞台にした。

またWilson氏は、シリーズならではの各種武器・車両を用いた戦闘や、破壊表現、プレイヤーのアクションの自由度の高さをすべて兼ね備えた上で、これらをさらなるレベルに引き上げるとも述べる。そして、次世代プラットフォームのパワーをフルに活かし、巨大かつ没入感のある戦いを実現し、さらに従来作以上のプレイヤー数にも対応するとのこと(関連記事)。

本作の開発は、これまでのシリーズ作と同じくDICEがメインに担当。EAの傘下スタジオを統括するCSO Laura Miele氏によると、開発チームは2020年からリモートワークをおこなっているそうだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響だろう。ただ同氏は、リモートワークの難しさも語る。ゲーム開発には、クリエイティブなエネルギーやチーム内での連携が求められるが、自宅で仕事をしていると、たとえば子供の世話に時間を取られる場面もあるかもしれない。Miele氏は、スタッフそれぞれの事情により、そうしたエネルギーや連携、また開発における生産性はかつてほど高くはないと明かしている。

そうした状況もあってか、本作の開発にはDICE Los Angelesも参加しているとのこと。同スタジオは、もともとDICEの開発サポートをおこなう立場にあったが、2020年1月にRespawn Entertainmentの共同設立者・CEOのVince Zampella氏がトップに就任してからは、ポートフォリオ拡大のためオリジナルタイトルの開発を表明している(関連記事)。しかし、EAの看板タイトルである『Battlefield』新作のために、ひとまず開発サポートに復帰することになるようだ。同スタジオは、本作のライブサービス面の開発を担当しているとのこと。


さらに、Criterion Gamesも本作の開発に参加しているという。同スタジオは『Burnout』シリーズの開発元であり、レースゲーム開発のスペシャリストとして知られるが、近年はDICE作品に携わることが多い。たとえば、『Battlefield V』ではバトルロイヤルモード「Firestorm」を、また『Star Wars Battlefront II』では「スターファイター・アサルト」モードを手がけている。Laura Miele氏は、Criterion GamesはDICEと密接に連携してきた実績があると述べており、『Battlefield』新作にも参加することは自然な流れといえそうだ。

ただCriterion Gamesは、レースゲーム『Need for Speed』シリーズの開発担当でもある。EAは2020年2月に組織再編を実施し、同シリーズの近作を手がけていたGhost Gamesから、Criterion Gamesに担当を変更している(関連記事)。こちらの新作について具体的な情報はまだないが、Miele氏によると、今回DICEのサポートをおこなうことになったため、発売を1年先延ばしにしたそうだ。

https://twitter.com/Battlefield/status/1362381536448897027


EAのレースゲーム関連の動きというと、EAは『DiRT』や『F1』シリーズなどで知られるCodemastersの買収を今年2月に完了している。Criterion Gamesが多忙なのであれば、Codemastersに『Need for Speed』新作の開発を担当させることも考えられそうだが、Miele氏はこれを否定。同ブランドを扱うのはあくまでCriterion Gamesであり、いずれ新作開発に戻るとのこと。

EAは、『Battlefield』シリーズの新作を今春に正式発表する予定であることを明らかにしている。発売予定時期は今年のホリデーシーズン。リモートワークなど難しい開発環境のなかグループ内のスタジオが結集し、どのような作品として披露されるのか注目が集まる

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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