ヴァンパイアARPG『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』2022年以降に発売延期。紆余曲折を経て開発元も変更
パブリッシャーのParadox Interactiveは2月23日、2020年第4四半期の業績を報告。この中で、アクションRPG『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2(ヴァンパイア:ザ・マスカレード ブラッドラインズ2)』を、当初予定だった2021年内には発売しないことを明らかにした。新たな発売時期は発表されておらず、2022年以降に延期されたかたちとなる。
『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2』は、テーブルトークRPG「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」をもとにしたアクションRPGの続編だ。前作のアメリカ・ロサンゼルスからシアトルへと舞台を移す。この現代都市にはヴァンパイア社会が存在し、シアトルを支配している。そして、テロ事件に巻き込まれヴァンパイアとなった主人公は、渦巻く陰謀に巻き込まれていく。血の取引を巡って派閥間の争いが起こるなか、どの勢力の側につくのかなどのプレイヤーの選択や行動が力の均衡を変えていくという。
本作は2019年3月に発表され、当時はPC・コンソール向けに2020年発売予定とされていた。しかし、目指すクオリティを達成するにはさらなる時間が必要だとして、昨年8月になって2021年予定へと延期。そして今回、2022年以降へと再延期された。再延期の理由についてParadox Interactiveは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スタジオでの制作のペースを維持することが困難な状況であったことを挙げている。クオリティを確保するために、ふたたび延期して開発チームに時間を与える判断をしたそうだ。ちなみに同社の業績に関しては、通期・第4四半期いずれも前年を上回っており好調とのこと。
また、これまで本作を手がけてきたHardsuit Labsが、今後は開発担当から離れることも発表された。理由については明らかにされていないが、すでに新たなスタジオが本作の完成に向けた開発にあたっているという。そのスタジオ名も現時点では伏せられている。発表の中でParadox Interactiveは、Hardsuit Labsのこれまでの貢献について感謝の言葉を述べている。
本作の開発においては、昨年8月にリードナラティブ・ディレクターのBrian Mitsoda氏と、クリエイティブ・ディレクターのKa’ai Cluney氏が解雇。Mitsoda氏は前作に携わった経験を持ち、本作では開発からマーケティングまで中心的な役割を担っていた人物だ。当時Paradox Interactiveは、Hardsuit Labsと協議した上で決定したと発表するにとどめたが、Mitsoda氏は突然辞めさせられたとして失望感を露わにするコメントを出していた(Rock Paper Shotgun)。何が起こったのかは定かではないが、シリーズのキーマンを失い、同氏と共に本作を立ち上げたHardsuit Labsも今回開発から離れることとなり、さらに新たな発売時期を設定しないままの再延期とあって、本作の状況にはやや不穏な雰囲気が漂う。
なお、本作はDMM GAMESから日本語版がPS4向けに発売予定だ。今のところ同社からは、今回の発売延期についてのアナウンスはないが、国内向けにはもともと発売日未定とされていたため、発表という点ではそもそも延期の影響はないかもしれない。
『Vampire the Masquerade: Bloodlines 2(ヴァンパイア:ザ・マスカレード ブラッドラインズ2)』は、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに、2022年以降に発売予定だ。なお、本作はDMM GAMESから日本語版がPS4向けに発売予定。 国内向けにはもともと発売日未定とされていたこともあってか、今のところ同社からは、今回の発売延期についてのアナウンスはない。