『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』今夏発売へ。『ぼくなつ』綾部和氏が手がける“オラなつ”

任天堂は2月18日、『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』をNintendo Switch向けに今夏発売することを発表した。開発を手がけるのは『ぼくなつ』の綾部和氏。

任天堂は2月18日、『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』(以下、クレ夏)をNintendo Switch向けに今夏発売することを発表した。デジタルショーケース「Nintendo Direct 2021.2.18」にて明かされた。 
 

 
本作は、『ぼくのなつやすみ』シリーズ監督を務めた綾部和氏が手がける新作ライフシム。夏休みを九州で過ごすこととなったしんちゃんと野原一家の、ひと夏の1週間を描き出す。朝は一家でラジオ体操に励み、夕暮れにはみんなで晩ご飯。夜はとーちゃんとゆっくりお風呂につかるなど、ノスタルジックでのびのびした生活が描かれる。珍しい虫を捕まえたり、近くの小川で魚を釣ったりするなど、春日部市では味わえない自然豊かな環境でのアクティビティも楽しめるようだ。町には食堂やカフェ・バーも存在し、地元住民と交流して絆を深めることもできる。 

一方、ちょっとした事件も巻き起こるようだ。発明家にしてマッドサイエンティストを名乗る「博士」なる人物と出会ったことから、しんちゃんの周りでは奇妙な出来事が。春日部の子どもたちとそっくりな「キネ」ちゃんなどの新たな友人と出会ったり、町に恐竜や忍者が現れたり、不思議な体験がしんちゃんを待ち受けている。 
 

 
本作を手がける綾部氏は、ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された『ぼくのなつやすみ』シリーズにて監督を務めたことで知られる人物だ。同シリーズといえば、都会っ子の少年が地方で過ごす夏休みを描いたライフシムゲーム。1970〜80年代を舞台に、昆虫採集や魚釣り、ラジオ体操など昔懐かしい小学生の暮らしを味わうことができる。牧歌的でノスタルジックな作風に定評があり、文化庁メディア芸術祭にもたびたび出展するなど大きな評判を受けてきた。綾部氏のツイートによれば、シリーズの売上は累計180万本にのぼるという。 

綾部氏のファンであれば、IP作品ながら『クレ夏』も実質『ぼくのなつやすみ』シリーズ新作として期待したいところ。しかし綾部氏としては、『ぼくのなつやすみ』の延長線として本作を捉えられることには複雑な思いがあるようだ。『クレ夏』との略称は公式Twitterにて公言されている呼び方だが、綾部氏は事前に「”ぼくなつ”(『ぼくのなつやすみ』)みたいだからやめてほしい」と頼みこんでいたという。結局のところ、その声は届かず『クレ夏』が採用。さらにユーザーからは、さらに”ぼくなつ”に寄せた“オラなつ”との呼称まで浸透しつつあり、綾部氏としては苦笑を禁じ得ないようだ。 
 

 
なお本作の開発および販売を担当するネオス株式会社は、法人向け事業からキャラクターコンテンツまで多彩なビジネスを手がける企業。過去にはスマートフォン・タブレット向けアプリ『クレヨンしんちゃん お手伝い大作戦』を手がけ、 Google Playにおける「ファミリー」および「教育」カテゴリにおいて1位を獲得するといった実績を積んできた。コンソール向けゲームは新たな挑戦ながら、「クレヨンしんちゃん」IPに対しては深い理解のあるデベロッパーといえるだろう。 

『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』はNintendo Switch向けに今夏発売を予定している。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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