Electronic Artsは2月9日、モバイルゲームメーカーのGlu Mobileを買収することで両社が合意した発表した。EAは、2月5日時点での株価に36%のプレミアムを上乗せしてGlu Mobile株を現金で買い取り、合わせて21億ドル(約2203億円)にて買収する。ゲーム業界においては、マイクロソフトによる『マインクラフト』の開発元Mojangの買収に次ぐ金額の巨額買収である。
Glu Mobileは、アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置く、モバイルゲームを中心に手がける大手メーカーだ。『Design Home』や『ディズニー ソーサラー・アリーナ』、『Diner DASH』『Deer Hunter』シリーズなどのほか、キム・カーダシアンやブリトニー・スピアーズといったセレブを主人公にしたシミュレーションゲームなども展開中。ちょうど本日2月9日には2020年度の決算も発表しており、同年度の収益は5億4050万ドル(約567億円)を記録し、前年度より成長している。
EAはモバイルゲーム市場向けには、『ザ・シムズ』や『シムシティ』『プラントvs.ゾンビ』シリーズなどのほか、『FIFA』や『NBA LIVE』『Madden NFL』といったお馴染みのスポーツゲーム、また「スター・ウォーズ」のゲームも手がけている。かねてより力を入れていた分野であり、今回Glu Mobileを迎え入れることで、EAが抱える収益性の高いライブサービスは15タイトル以上に拡大。プレイヤー数にして、合わせて4億3000万人にのぼるという。そうしたIPだけでなく、500人以上の開発者も加わることになり、開発力の強化も期待されている。
今回の買収発表に際しEAのCEO Andrew Wilson氏は、モバイルは世界最大のゲームプラットフォームであり、成長を続けているとコメント。そしてGlu Mobileが持つタイトルとタレントを迎え入れることで、EAのモバイルビジネスの規模は倍増するとし、さらなるエキサイティングな体験をプレイヤーに届けたいとしている。またGlu MobileのCEO Nick Earl氏は、今回の買収は同社がワールドクラスのインタラクティブ体験を届けてきた努力の集大成であると評価。今後はEAの一員として、拡大を続けるモバイル業界のチャンスを活かしていきたいと述べた。
Glu Mobileのタイトルは日本でも配信され人気を得ているものもあるが、日本語非対応のタイトルが多い。今回の発表では、EAが持つ世界規模の流通網により、さらなるプレイヤー・マーケットにGlu Mobileタイトルを届けるとしているため、日本市場向けの施策強化も望まれる。