『Apex Legends』開発者が、ユーザーの疑問に答える。ヒューズ直近の勝率や新ルールの可能性、“バグか仕様か”問題まで答えられた一問一答情報まとめ

 

Respawn Entertainmentは2月6日、海外掲示板Redditにて『Apex Legends』にまつわるAMA(Ask Me Anything/何でも聞いてね)を実施。シーズン8開幕に合わせ、ユーザーから寄せられたさまざまな疑問に回答した。開発チームが明かした多くの新情報について、トピック別に見てみよう。ここでは、新レジェンド・ヒューズや今後のシステム調整にまつわる話題をチェックしていく。

シーズン8から参戦したレジェンド、ヒューズ。通常よりグレネードを多く所持することができ、クラスター爆弾やロケットランチャーなど爆発物に特化したアビリティを持ち味とする。やはり今回のスレッドでも、彼に対する注目度は高かった。今後の強化/弱体化予定に対して尋ねられると、ゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏は「まだ早すぎる」としながらも彼の直近の戦績についてヒントを開示している。いわく、リリース直後の戦績としてはシーズン7のホライゾンよりも控えめで、非常に健全な範囲に収まっているそうだ。初日におけるトリオでの勝率は4.65%。これまでの傾向からいって、新レジェンドの勝率は実装から2週間で約0.5%上昇するという。したがって、ヒューズの勝率は今後5.1%程度に収まる可能性がある。とはいえ、今後の調整について検討するには最低でも1週間分のデータが必要とのことだ。
 

 
「新規レジェンドの性能」問題については、これまで数多く話題に上がってきた(関連記事)。『Apex Legends』のゲームデザインはアビリティよりもガンプレイを優先しているため、新レジェンドの能力も、バランスを崩さない範囲で設定せざるを得ない。シーズン5のローバ、シーズン6のランパートが控えめな性能で実装された理由は、このように説明されている。とはいえ彼女らがその後も継続的に改修を望まれ続けていることから、直近におけるこの方針は見直されている模様。ホライゾンは最初から比較的強力なレジェンドとして送り出され、その結果は勝率ランキングにて如実に表れている(関連記事)。

ヒューズもまた前シーズン同様、リリース時からある程度強力なレジェンドとして意図されていることがKlein氏により明言された。リリース前にレジェンドの強さを図ることは困難ながら、現在は“弱すぎる”より“強すぎる”方から徐々に調整する方針で舵を切っているとのこと。ちなみにデビュー勝率はホライゾンに劣ったヒューズだが、「初日のピック率」に関しての記録では驚異的な高さで上回ったという。その差は10%を優に超えているとのことで、「ゲーマーは爆発が大好きなのかも」との所感が述べられている。

ヒューズは性能もさることながら、「渋めのちょいワル親父」という人物像も注目を集めている。キャラクターとしての彼を生み出したプロセスについても深掘りされており、彼の場合は先にアビリティ案が発想にあったそうだ。そこからバイカーやカウボーイといった要素が連想で付随していったとのこと。インスピレーションの参照元としてはAcca DaccaやCrowded Houseといったオーストラリア系ロックバンドに、オーストラリア製コメディ映画「The Castle」などが挙げられた(英語版のヒューズは豪州なまりで話す)。また同ライタースタッフからは、自身の身内である「Bazza叔父さん」が大部分のモデルになったとの裏話も。「ほら話を語り、バーベキューを愛し、カリスマ的で、非常に謎めいた男」とのことで、トレードマークの口ヒゲがヒューズとお揃いだそうだ。
 

 
ほか、ゲームのシステム面についてもさまざまな情報が飛び出した。PlayStation 5/Xbox Series Xなどの次世代機バージョンについて尋ねられると、本作は120fpsを達成することが目標のひとつであるとの前向きな回答が。一方、要望の多いクロスプログレッション機能については、検討を進めているものの、既存アカウント数が膨大なため道のりは遠いと言及されている。またゲーム内新ルールについても示唆あり。チームデスマッチ実装のリクエストがくると、「バトルロイヤル以外のさまざまなプロトタイプ」について存在が匂わされた。一方、「デュオモードのランクマッチ」については、ゲーム自体が本来3人用に設計されているため安定した環境を用意するのが難しいとしている

ほか、ユニークな情報としては「バグを仕様として認める基準」についても明かされた。いわく、「多くのプレイヤーが楽しんでいて、かつゲームをそれほど悪くするものではない」場合、意図しない挙動でも直さずにおくのだという。たとえば壁のぼりとジャンプを組み合わせて通常より高くジャンプすることができるテクニック、「壁ジャンプ」は“バグが仕様になった”いい例だ。最上位ランカーでは必須テクニックとなっているものの、それ未満のプレイヤーの多くにとっては必須のスキルではない。試合環境を握るほどではないが、できるとちょっと気持ちいい、そんな塩梅が「バグの仕様化」の鍵となっているようだ。対照的に、ジャンプ・しゃがみ・移動を組み合わせることで高速移動しながら回復できる「バニーホップ回復」は修正の対象となった。こちらは入力が難しく、かつ知っているのと知らないのとでは大きく試合を変えてしまうため、削除されてしまったとのこと。
 

オクタンのスーパージャンプも、バグの仕様化に近いという。

 
貴重なデータから意外な裏話まで、掘り出し情報が多数並ぶAMAスレッド。今後も定期的にこうした機会が恵まれそうだ。