ゲーム専門ファンドKowloon Nightsが、23ものスタジオとパートナーシップを締結。著名インディースタジオの新作開発を支援

ゲーム専門ファンドのKowloon Nightsは2月4日、新作を開発中の23のスタジオと、新たなパートナーシップを締結したと発表した。この中では、著名タイトルを手がけたインディースタジオの次なる作品のヒントも示されている。

Kowloon Nightsは、マイクロソフトの開発者サポートプログラムID@Xboxの立ち上げに携わったAlexis Garavaryan氏など、ゲーム業界のベテランらによって2017年に設立されたPC・コンソールゲーム専門ファンドだ。パブリッシャーに代わる新たな販売手段を探しているインディペンデント系開発者をサポートしており、これまでに1億ドル（約105億円）以上を出資。その対象には、上田文人氏率いるgenDESIGNや、小高和剛氏・打越鋼太郎氏らが設立したToo Kyo Games、あるいは昨年発売されたCounterplay Gamesの『Godfall』や、Thunder Lotus Gamesの『Spiritfarer』などが含まれる。

今回、同社が新たにパートナーシップを結んだスタジオおよび開発中タイトルは以下のとおりだ。間もなく発売を迎えるタイトルから、まだ発表前のものも多く含まれる。

・Alpha Channel『TANKHEAD』
・Batterystaple『30XX』
・Brimstone（未発表タイトル）
・Dreamlit『Towers』
・Fireplace（未発表タイトル）
・Fkkcloud『Project Kafka』
・Frozenbyte『Starbase』
・Gathering Tree『TFM: The First Men』

・Goblinz Studio『Legend of Keepers』
・Kaizen Game Works（未発表タイトル）
・Massive Damage（未発表タイトル）
・Metric Empire（未発表タイトル）
・Mimimi Games『Codename Süßkartoffel』
・Night School Studio（未発表タイトル）
・Plethora Project『Common’hood』
・Rogue Snail（未発表タイトル）

・Roll7（未発表タイトル）
・Rose City Games/Picogram『Garden Story』
・Sabotage Studio『Sea of Stars』
・SIGONO『OPUS: Echo of Starsong』
・Sloclap（未発表タイトル）
・Studio Zevere『She Dreams Elsewhere』
・Thunder Lotus Games（未発表タイトル）

Mimimi Gamesの『Codename Süßkartoffel』はコードネームであり、こちらも事実上未発表タイトルである。同スタジオは『Desperados III』や『Shadow Tactics: Blades of the Shogun』といったリアルタイム戦略ゲームで知られ、本作も同じジャンルのゲームになるという。『OXENFREE』などを手がけたNight School Studioの新作では、インタラクティブなストーリーテリングの境界線・限界を突破することを目指しているとのこと。

『OlliOlli』などで知られるRoll7の新作は、同スタジオとして初めてのコラボタイトルになるそうだ。コラボ相手はまだ不明だが、複数のジャンルを組み合わせたようなゲームプレイを目指しているという。『Absolver』の開発元Sloclapの新作では、同スタジオの得意とする格闘技アクションに、爽快なひねりを加えたものになるとのこと。

＊ポートフォリオマネジャーのCallum Underwood氏が、Kowloon Nightsの活動内容を説明。

Kowloon Nightsでは、従来のパブリッシャーとの関係に代わる選択肢を開発者に提供し、スタジオのクリエイティブなビジョンをサポートしているという。リクープ期間を設けず、開発者は最初の1ドルから収益を得られるほか、厳格なマイルストーンスケジュールはなく、柔軟な支払いスケジュールを組むとのこと。また、リリース日・プラットフォーム・独占権・サブスクリプション・ディスカウントなどは、すべて開発者が管理し、IPの権利も開発者が保有できる。

ゲーム開発を支援するファンドはほかにも存在するが、短期間でこれだけ多くのスタジオ・作品への出資をおこなうKowloon Nightsの今回の発表は、業界関係者の中でも驚きをもって受け止められたようだ。もっとも、同社はこれでも出資先についてはかなり厳選しているそうで、実力あるスタジオが名を連ねていることからもそれは伺える。なお、同社の公式サイトでは、開発者からの売り込みを随時受け付けている。