Google、Stadia向けの自社ゲームスタジオ閉鎖を発表。これ以上は開発コストをかけられず、今後はサービス提供に専念


Googleは2月2日、同社のストリーミングサービスStadia向けにゲームを制作する内部スタジオStadia Games and Entertainmentへの投資をやめ、閉鎖すると発表した。今後は引き続きサービスのテクノロジーへの投資やパートナーへの協力を強めていくとしている。


Stadia Games and Entertainmentは、Stadia向けに設立されたスタジオ。2019年3月にその存在が明かされた。初代『アサシン クリード』をはじめ、かつてUbisoftの人気タイトルをプロデュースしてきたJade Raymond氏がスタジオヘッドを務め、自社ゲーム開発をしながらサードパーティーのStadia向け移植の技術協力を進めてきた。

2019年10月にはカナダのモントリオールにスタジオを設立。その後、『Journey to the Savage Planet』を手がけたTyphoon Studiosを傘下に収めた。2020年3月にはSIEワールドワイドスタジオのSanta Monica Studioにてシニアディレクターとして活躍してきたShannon Studstill氏をトップに据え、ふたつめのスタジオをアメリカ・ロサンゼルスに構えた。これらは閉じられるという。スタジオヘッドであったJade Raymond氏は退任するほか、ふたつのスタジオにて働いていた150名のスタッフは、Google内で新たな役割を見つけるとのこと。ただし開発がある程度進んでおり、近いうちでの配信目処が立っているゲームについては、そのまま開発されるようだ。

Stadia責任者のPhil Harrison氏は、ゼロから完成度の高いゲームを作るには長い歳月と多くの投資が必要で、急激にコストが増大していったと語っている。今後はパートナーへの協力の強化をはかっていくとした。ゲーム開発には多くのコストがかかることから、Stadiaのサービス運用に注力するということだろう。

Stadiaの最近の動向はというと、同サービス向けに『サイバーパンク2077』がリリースされた。昨年12月にはSafariから起動するという手法でiOSにも対応していたほか、YouTubeへの統合も進められている。いまだ日本には上陸していないものの、グローバル展開も進んでいるそうだ。いまだ大きな存在感を見せられていないGoogleのStadiaであるが、自社ゲームへの投資をやめた今、サービスへの投資は続けられるのだろうか。