今年1月20日に実施された、ジョー・バイデン氏の米国大統領就任式では、民主党の予備選挙にて同氏と戦ったバーニー・サンダース氏が一部で大きな話題となった。多くの人が正装で出席しているなか、サンダース氏はカジュアルなアウターにミトン手袋という出で立ちで登場。会場の椅子にポツンとひとり座っている様子がカメラに収められ、その素朴な姿が注目されたのだ。
その後、サンダース氏の着席画像はミーム素材化。あらゆる場所あるいは人物と共に、同氏がさりげなく座っているコラージュ画像がSNS上に大量に投稿される流れとなる。そしてそのような面白い状況を、PCゲームのModderたちが放っておくわけはなかった。
上の写真が、元ネタとなったバーニー・サンダース氏の姿だ。大統領就任式に出席した著名な政治家とは思えぬ、しかし同氏らしい飾らない佇まいである。水色のマスクをし、上着はBURTONのゴアテックスジャケット。かわいいミトン手袋は、同氏の地元の支持者からプレゼントされた手編みのものだそうだ。
JoeMashups氏やUser619氏といったModderたちは、サンダース氏のこの座った姿をパイプ椅子ごと3Dモデル化。YouTuberのToastedShoes氏が、これをもとにさまざまなゲームにModを導入した以下の映像を投稿している。
たとえば『Star Wars バトルフロント II』では、ダース・モールのキャラクターモデルをサンダース氏と差し替え。足を組んでパイプ椅子に腰掛けたまま、両刃のライトセーバーを振り回して敵をなぎ倒している。また『Fallout 4』では敵キャラクターに導入。大群のサンダース氏や、超巨大なサンダース氏がプレイヤーを襲う。
『バイオハザード7 レジデント イービル』では、ベイカー一家が“サンダース一家”に。有名な食卓を囲むシーンにて、主人公イーサンがサンダース氏にグロテスクな食事を口に突っ込まれたうえ、ふざけていた長男サンダース氏が親父サンダース氏に腕を切り落とされる始末だ。
かとおもえば、『The Elder Scrolls V: Skyrim』では冒頭の馬車シーンにてサンダース氏と同乗。「おい、そこのあんた。やっと目が覚めたか」と語りかけてくる例のNPCもサンダース氏だ。このほか、『ダークソウル』や『デビル メイ クライ 5』『ABZÛ』にもサンダース氏のModを導入とやりたい放題である。
前出のUser619氏は、『ソウルキャリバー 6』のアズウェルのキャラクターモデルを、サンダース氏に差し替えた動画を投稿している。いつものようにパイプ椅子に深く腰掛けたままバトルだ。アズウェルは、パリンドロームと呼ばれる手甲から武器を具現化させて戦うが、サンダース氏レベルになると、両手を膝の上に乗せたままこれをこなしてしまう。
User619氏はほかにも、タワーディフェンス&アクションゲーム『Rock of Ages 3: Make & Break』にもModを導入。本来は巨大な顔面岩を転がしてステージを進み、障害物を破壊していく作品だが、案の定サンダース氏がゴロゴロ転がっていく。
インターネットミームをもとにModが制作されることはよくあり、今回もModderのフットワークの軽さが存分に発揮された。もっとも、たとえば「きかんしゃトーマス」のように、サンダース氏が今後も定番Modのひとつとなるかどうかは未知数だ。一時のブームとしていずれ忘れ去られていく可能性もあるだろう。
ちなみに、ミームとなった大統領就任式での着席画像についてはバーニー・サンダース氏自身もネタにしており、その姿をあしらったTシャツなどを制作して販売中。売り上げの全額を、貧困家庭への支援をおこなっている慈善団体に寄付するとしている。