『マインクラフト』教育版で、持続可能な環境開発を学べるマップが無料配布。浄水場や風力発電プラントをバーチャル社会見学
マイクロソフトは1月2日、『マインクラフト』における「Sustainability City」マップを無料で配信開始した。本マップは『Minecraft Education Edition』にて利用できるコンテンツで、持続可能な環境開発について学ぶことができる。『Minecraft:Education Edition』とは、教育現場での活用を意図して設計された『マインクラフト』バージョンのひとつだ。教育者と生徒には『マインクラフト』の世界の中で仮想の教室が用意され、国語や数学などの教科からプログラミングまで、ゲーム内のブロックを使い視覚的に学ぶことができる。マーケットプレイスからさまざまなコンテンツをダウンロードすることで、多彩なレッスンを享受することが可能となっている。
Sustainability Cityは、持続可能な環境開発をテーマとして学習できるマップだ。クリーンエネルギーやリサイクルなど、サステイナブル(持続可能)な資源利用についての教材が用意されているという。コンテンツのひとつ「Sustainable Home」では、ブロックで作られたソーラーパネル付きの家屋が登場。サステイナブルな素材でのみ建築された家を探索することで、持続可能な素材利用について学ぶことができる。別のマップ「Outflow Order」では、水の再生利用について学習可能。家庭から出た排水が浄水されるまでの施設が丸ごとブロックで作られており、汚水が再利用可能になるまでの流れを視覚的に学ぶことができる。このほか森林資源と野生動物の共生を学べる「Dependable Forests」や、水力発電や風力発電などのプラントを再現した「Alternative Energy」など、バーチャル空間でちょっとした社会見学ができるようなコンテンツが目白押しだ。
これらのマップは、マイクロソフトがリリースした「2020年環境サステナビリティレポート」に呼応して制作されたコンテンツだ。同レポートは、CSR活動の一環として発表しているもの。マイクロソフトはCO2 排出量 を削減し、最終的にはゼロにするという目標と新計画を発表。2030 年までにカーボンネガティブ(経済活動によって排出される温室効果ガスよりも、植物などが吸収する温室効果ガスが多い状態)となり、2050 年までに、 CO2の環境への影響を完全に排除するなど、野心的な目標を掲げている。
Mojangは1月28日のリリースにて、115か国で3500万人以上の学生と教育者が、教室で『Minecraft:Education Edition』を使用するライセンスを取得していると発表。昨年3月には新型コロナウイルスによる休校措置などの世情に際し、『Minecraft:Education Edition』で利用可能なコンテンツをひとまとめにした「Minecraft Education Collection」を無料配布している。教育現場での『マインクラフト』利用普及に関しては以前から強い関心を示しており、その結果が数字として表れているわけだ。Sustainability Cityの配布により、いっそう教育環境への浸透が進むかもしれない。
Sustainability Cityは、『Minecraft:Education Edition』利用者であれば無料でダウンロードが可能だ。