稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』の稲作方法をめぐって、山里亮太・蒼井優夫妻が対立。米の“質重視”は譲れない


人気コンビ芸人南海キャンディーズの山里亮太氏は、TBSラジオにて毎週水曜日25時より放映する自身のラジオ番組「山里亮太の不毛な議論ラジオ」にて、同氏の妻であり女優の蒼井優氏と対立していたことを明かし、話題を呼んでいる。対立とはいっても、深刻なものではない。ゲーム内にてちょっとした意見の相違があったことを語る、ほんわかエピソードトークだ。しかしながら、その内容がかなりディープであるとして笑いを誘っている。対立内容はというと、『天穂のサクナヒメ』の稲作方法に関して、である。

Image Credit : TBSラジオ


山里亮太氏は、ゲーム好きタレントとして知られており、子供の頃から『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった王道作品や、『モンスターファーム』『爆走デコトラ伝説』『実況パワフルプロ野球』シリーズをプレイ。大人になってからも『ドラゴンクエストX』をプレイしていたことなどを、メディアを通じて明かしてきた(Real Sound)。昨年には配信アプリMirrativにて番組派生企画としてゲーム実況をおこなったり、テレビ朝日系の深夜番組「ReAL eSports News」の司会を務めるなど、ゲームには造詣が深い著名人。その山里氏は、妻の蒼井優氏と共にたびたびゲームをプレイしているのだという。

蒼井氏と山里氏は、ステイホーム期間さまざまなゲームを遊んでいたという。ふたりで『ピクミン3 デラックス』や『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』をプレイしたとのこと。そして今は『天穂のサクナヒメ』をNintendo Switchでプレイしているとラジオ番組の1月13日の放送にて語り、妻がゲーム内で肥料を汲んでいる姿がレアだと語っていた。そして1月27日の放送では、彼らがどのようなプレイをしているかが、さらに具体的に語られている。

『天穂のサクナヒメ』はシングルプレイアクションRPGであるが、山里氏・蒼井氏はふたりでひとつのデータを進めているという。山里氏は“外”、蒼井氏は“家”を担当。つまり山里氏は外で探索や戦闘を進め、蒼井氏は家で稲作するといった分担をしていたそうだ。しかしそこで対立が起こってしまう。どう米を育てるか、意見が食い違ったようだ。


というのも、『天穂のサクナヒメ』ではどのように米を育てるかによって米パラメータが変わり、主人公であるサクナヒメの成長にも影響する。パラメータには量・味・硬・香・美・粘といった項目が存在し、それぞれの項目にあわせてサクナヒメの能力が上昇する仕組み。これらの項目はざっくりと分ければ、「量」とそれ以外の要素をまとめた「質」に分けられる。山里氏は稲作に関して量重視を提案。それに対して蒼井氏は質重視を提案したことで、対立が生まれたそうだ。

量重視の利点としては、サクナヒメの命のパラメータが伸びやすい以外にも、単純に入手できる米の量が多くなる。米が多ければ、食事で米料理を多く作成できるし(米料理はHP自動回復効果があり探索で重要)、そのほか交易に使用することで新鮮なアイテムを入手できる。希少な米が多く手に入る利点は大きい 。これらのメリットを踏まえて、山里氏はゲーム序盤の進め方として交易に使うべきだと主張した(なお実際には、交易は序盤ではなく中盤から開放される)。一方質重視の利点としては、サクナヒメの強化パラメータ数が多くなる。入手米が少なくなるものの、サクナヒメがぐっと強くなるのだ。蒼井氏はせっかくなので質のいい米を作りたいと主張していたそうで、家のことだから(自身が)決めたいと強弁したそうだ。蒼井氏は、攻略サイトを見ないと決めているそうで、ゲーム内農書を読み込んでいたという 。ゲーム内で知識を身につけたうえで質を重視しようとしたというわけだ。あまりにも蒼井氏が持論を譲らないことから最終的に山里氏は、質重視の方針を飲むことにしたとのこと。


ゲーム的にいえば、量か質か、その選択に正解はない。むしろ両方が正解だ。まず米の量を確保するなら、探索ではHPを確保できる。食や交易での恩恵は大きく、飢える心配もなくなるわけだ。供給量が安定してから質重視へシフトして、能力強化を図るのも悪くない選択といえる。一方で、最初から質重視の米づくりに専念すれば、初期から攻撃力などが上昇し、アクションパートが楽になる。米には量以外にも5つのステータスがあり、どうせなら美味しいお米を作りたいと考えるのも人情だ。米作りに答えはないのである。

ラジオ内では、そのほかにも興味深いエピソードが語られている。山里氏が出張から帰ってきてみると水車ができていたというエピソードを披露。水車はかなり後半に使えるようになる農機具であるが、山里氏の知らぬ間にどんどんゲームを進行させていたようだ。蒼井氏はゲーマーではなく、前述したふたりで遊ぶゲーム以外では『星のカービィ』シリーズぐらいしか遊んでこなかったという。一方で、アイドルを応援するオタク気質な部分があり、そうした部分が出たのではないかと山里氏は推測している。

そのほか、蒼井氏はいつの間にか合鴨農法を始めたという。合鴨農法は、田に合鴨を放つことで防虫対策できるゲーム後半の要素。しかし出穂期には小屋に戻しておかないと、米を食べてしまう。それについても蒼井氏は理解しているようで、適切な時期には小屋に戻していたとのこと。なお山里氏は手間などを考えて、防虫系の肥料を撒くことで虫対策すべきだと提案していたという。しかし副作用を懸念してか蒼井氏は反対。こちらも考え方は異なっていたようだ。プレイスタイルの違いをさまざまな面で確認できる興味深い事例だ。

エピソードとしてはそのほか、探索と稲作で担当を分けていたものの、肥料の採取を理由に蒼井氏が探索に出ていたこと。籾摺りを山里氏に任せ、米の出来を見せつけていること。稲作を育てすぎた結果ラスボスに圧勝したこと、ゲームをクリアしてもまだまだ蒼井氏は稲作を続けていることなどが明かされている。いずれにせよ本作は、ふたりを(一時的に)対立させるほど攻略法が多彩で、懐の深いゲームだともいえる。『天穂のサクナヒメ』は理解しやすくもあるが、ゲームとしての構造や要素は複雑。ラジオ内では、山里氏がそれらの要素をわかりやすく的確に解説している点も特筆に値する。該当ページから、1月27日放送同ラジオのディレクターズ・カット版を実際に聞いてみてほしい。

なおマーベラスは本日1月29日に、2021年3月期 第3四半期の決算説明資料を公開。『天穂のサクナヒメ』の、1月29日時点での全世界累計出荷本数が85万本であると明かしている。芸能人ラジオの夫婦エピソードトークに出るぐらい、認知されているということだろう。『天穂のサクナヒメ』は、PC/PS4/Nintendo Switch向けに発売中だ。