『サイバーパンク2077』公式Modサポートツール配布開始。ジュディとパナムモデル交換Modなどが生み出されるも、制作が大変だった

 

CD PROJEKT REDは1月26日、『サイバーパンク2077』のModサポートツールの配布を公式サイトにて開始した。PC版『サイバーパンク2077』のMod制作をサポートする目的だ。

今回公式に配布されたModサポートツールの種類としては、ゲームデータアーカイブのコンテンツをリスト出力するArchiveDump、ゲーム内のTweakDBファイルのコンテンツをリスト出力するTweakDump、そして特定のツールに使用するMetadataが配布されている。TweakDB IDsといったツールの配布も今後予定されている。

CD PROJEKT REDは同ツールについて、『サイバーパンク2077』の世界の中で、自分自身の体験を改造し創造する助けになるとしている。これらのツールは互換性を確保するため、ゲームにパッチが入るごとにアップデートされていく予定だ。


『サイバーパンク2077』では、公式のサポートツールを待たず、数多くのModが配信サイトNexus Modsですでに公開されている。先日弊誌にて紹介した、上空を自由に飛行できるModもそのひとつだ。過去30日間でもっとも人気のModは、ミニマップを改善するMod「Better Minimap」だ。こちらはModderのWillyJL氏が制作したもので、画面右上のミニマップの表示範囲を拡大してくれる。地味ながらゲームのQoLを向上させてくれるため、愛用されているのだろう。

またModderのVanguard1776氏は、ゲームのビジュアルを強化するシェーダーを公開している。「Cyberpunk Autonomous ReShade – True HDR」は、ヴァニラのHDRより色鮮やかにゲーム画面を映し出してくれる。『サイバーパンク2077』用Modの全体的な傾向として、パフォーマンスやUIを改善したり、新機能を追加するタイプの堅実なModが人気の中心にある。逆にジョーク系やアダルト系のModはそれほど多くないようだ。


主人公VやNPCの見た目を変更できるModも多く公開されているが、まだ研究の余地はあるようだ。海外メディアEurogamerは、ModderのCamtino 氏のMod紹介とインタビューを行っている。同氏の制作したModでは、キャラクターモデルを変更できる。パナムとジュディのモデルを入れ替えたり、もしくはセックスワーカーであるジョイトイのモデルを、キアヌ・リーブス演じるジョニー・シルヴァーハンドと交換することもできる。導入すると路地でジョニーに話しかけて、そのまま一夜を共にできるわけだ。

Camtino 氏によると、『サイバーパンク2077』のMod制作は、現状では非常に手のかかる工程であるという。Nexus ModsではCP77Toolsというツールが配布されている。こちらはゲームデータの抽出と再パックを行うツールで、モデルの変更をする際に必要となる。CP77Toolsでデータの解凍を行い、目的のファイルを入れ替える。さらにバイナリ形式で名前のファイルを編集、そして再パックという流れである。

ただし名前用のバイナリファイルの編集は制限されており、ファイルサイズを変更できない。カメオ出演した有名人とモデルチェンジを行うModがありそうで意外に少ないのは、これが原因のようだ。某監督そっくりの“ヒデヨシ・オオシマ”とのロマンスModを妄想したプレイヤーも沢山いるはずだが、いまだに出現していない。この疑問についても、Camtino氏は答えている。ヒデヨシ・オオシマの名前のファイルサイズがジョイトイより大きいため、モデルが交換できないとのことだ。

リパードクのヴィクターとヒデヨシ・オオシマは交換できる。Catmino氏のNexus Modsページより


CD PROJEKT REDは過去にも『ウィッチャー3 ワイルドハント』を発売後、公式Mod制作ツールをNexus Modsで配布していた。こちらはゲームのスクリプトやモデルのメッシュを変更したりできるツールであった。『サイバーパンク2077』についても、公式Modツールの公開により、Modコミュニティがこれからさらに盛り上がってゆくだろう。