高評価ローグライクACT『Hades』国内Nintendo Switch版は“数か月以内”に配信へ。日本語発売が延びたことに対し、開発元がコメント
インディースタジオSupergiant Gamesが手がけ、非常に高い評価を得ているローグライク・アクションゲーム『Hades』。現在PCおよび海外Nintendo Switch向けに配信されており、昨年9月に放送された任天堂の「Nintendo Direct mini」にて、Nintendo Switch版の国内発売が発表された。ただ、当時は2020年冬配信予定とされていたが、昨年末になって2021年予定へと延期。この背景には、膨大なローカライズ作業があったようだ。
『Hades』は、冥界の神ハデスの息子ザグレウスを主人公とする、見下ろし型視点のローグライク・アクションゲームだ。ザグレウスは父親への反発や、物語を進める中で新たな目的を得ることにより、ハデスの館がある地下世界から地上への脱出を目指す。
道中ではハデスが差し向けた敵が次々に襲ってくる一方で、オリュンポスの神々がザグレウスを手助けし、ランダムにアップグレードを授けてくれる。剣や弓、槍、銃などの武器を使いこなし、強化を重ねながら、異なる環境のステージをひとつひとつ突破していく。プレイを続けていくと敵の攻撃は徐々に激しくなってき、死ぬと最初からやり直しだ。恒久的なアップグレード要素などが豊富に用意されており、リプレイ性の高いゲームとなっている。
先述したように、本作は現在PC(Steam/Epic Gamesストア)および海外Nintendo Switch向けに配信中。日本語はまだサポートされていないが、Nintendo Switch版の国内発売が決定したことで、正式な日本語対応が期待されている。しかし、2020年冬から2021年へと発売延期。これは任天堂公式サイトの発売スケジュールの更新によって明らかになったもので、特に発表はおこなわれていない。
そこで、開発元Supergiant Gamesのクリエイティブ・ディレクターGreg Kasavin氏に弊誌が確認したところ、当初予定の2020年冬というのは発表時での大まかな想定であり、現時点では「数か月以内(in the coming months)」の発売を見込んでいるとのことだった。2021年予定とされているが、そう遅い時期にはならなさそうである。また、Nintendo Switch版の国内発売に合わせて、PC版向けにも日本語を追加する計画であることを明らかにしている。
延期理由について同氏は、「『Hades』はハイペースなゲームではあるが、翻訳作業についてはそう手早くはできない」とコメント。日本でのローンチ時に確かなものを届けるため、じっくり時間をかけてローカライズに取り組みたいとした。
本作は、1周クリアするだけなら比較的短い作品ではあるが、多数のキャラクターが登場し会話シーンが多いことが特徴だ。プレイするたびに新たな会話や展開が発生し、何十回プレイしてもまだ終わりが見えない奥深い物語を有している。Kasavin氏によると、本作の脚本は英語で30万ワード以上のボリュームがあるという。膨大なローカライズ作業となることは明らかであり、日本語版についても単純に時間がかかっているようだ。
また、Supergiant Gamesは翻訳のクオリティにも注意を払っているのかもしれない。本作は多数の言語に対応しているが、一部の言語についてはひどい翻訳であるとファンから不満の声が出ている。その背景としては、早期アクセスにて開発を進めながら、同時にローカライズ会社とコミュニティの翻訳者と協力し翻訳を実装することは、初めての経験だったことがあるそうだ。なお、そうした指摘のあった言語については随時改善をおこなっているとのこと(PC Gamer)。日本語版では、そうした不備のないように取り組んでいる可能性があるだろう。
Greg Kasavin氏は、自身を含めSupergiant Gamesの多くのスタッフは日本のゲームなどから影響を受けているとし、その日本に『Hades』を楽しみにしているファンがいることは嬉しいと述べる。そして、待った甲斐があったと日本のファンに思ってもらいたいとし、「お待ちいただきありがとうございます!」と日本語でコメントを寄せてくれた。
『Hades』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに国内配信中。Nintendo Switch版は2021年内配信予定だ。