『あつまれ どうぶつの森』を介して知り合い結婚したカップル現る。夜中ぶっ続けで遊び愛を育む
コミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』を介して知り合い、結婚したユーザーがいたようだ。FOX 13 Newsが伝えている。新型コロナウイルスの感染が拡大し、多くの人々が家にいることを強いられた2020年。ゲームを介して愛を育んでいたゲーマーたちが存在した。
Steve Brown氏は2人の娘を持つシングルファーザーだ。子どもたちを養うべく仕事に励んでいた同氏だが、新型コロナウイルスの感染拡大によって業務が一時的に休止。家にいる時間が増え、これを機にNintendo Switchにて『あつまれ どうぶつの森』を始めたのだという。現実から逃避できるゲームとして、とても楽しんでいたBrown氏。ゆったりと、自分のペースで、リラックスして遊べる点が気に入っていたそうだ。
Brown氏はFacebookの『あつまれ どうぶつの森』コミュニティページにも参加していた。大量にベルを持ち合わせていた同氏は、余ったベルを他のユーザーに配布することで交流していたそうだ。その中で彼は、自身の投稿にコメントしてくれたShayla Johnson氏という女性と知り合った。ベルを分け与えたのち彼女は、Brown氏に自分の島にきてほしいとお誘い。彼が Johnson氏の島を訪れることで、ふたりの個人的な関係が始まった。関係といっても、その交流はゲーム内チャットとキャラクターの感情表現によるやりとりのみ。テキストとゲーム内のキャラ表現によって、その距離を縮めていったわけだ。
日常的にコミュニケーションをするようになってから、彼らはすぐ親密になっていく。話をするうちに、たくさん共通点があることに気付き意気投合。深夜に4時間ぶっ続けでプレイすることもあったそうだ。次第に『あつまれ どうぶつの森』の外のツールを介して毎日話すようになり、遠距離恋愛に発展していった。まるでお互いの人生を理解しあっているかのような関係になったそうだ。そしてついに8月、Johnson氏が住まうインディアナ州でふたりは直接会った。お互いが本当に存在することを認識し、改めて恋に落ちたという。
そして驚くのは、Brown氏は“会う前に”にすでに指輪を買いデートに持ってきたこと。指輪を隠しながら彼女の反応を見つつ、渡そうとしていたそうだ。最終的にBrown氏はJohnson氏にプロポーズ。彼女は快諾し、2021年からユタ州にふたりで一緒に住むという。今はJohnson氏、Brown氏、そして娘たちと家族団らんで『あつまれ どうぶつの森』を遊んでいるそうだ。悲しいニュースも多い暗い時代であるが、希望もあるものだとBrown氏は言葉を紡いだ。
男女がゲームを介して出会い、結婚に至ることはそう珍しくない。『ファイナルファンタジーXIV』などネットワークゲームを介して知り合い、家庭を築く事例は数多く報告されてきた。一方で『あつまれ どうぶつの森』を介して出会うのはやや特殊だろう。というのも、同作はネットワーク機能を有しているものの、お出かけにといてはランダムマッチングが存在しない。同作はオンライン機能も、基本的に知り合い同士で遊ぶものとして構築されている。彼らが出会ったのはFacebookのコミュニティページなので、『あつまれ どうぶつの森』で結婚したというより、Facebookで結婚したと表現するほうが的確とも言えるだろう。
一方で『あつまれ どうぶつの森』はもともと現実世界で知り合ったカップルが、結婚式をゲーム内で実施するといった例が出ていただけに、その逆パターンが存在するという点は興味深い。そのほか、同作内のキャラクターがプレイヤーに求愛されるケースも散見される。いずれにせよ、もともと女性ユーザーも多いシリーズなので、男女が仲良くなるきっかけにはなりえるだろう。
結婚相手も見つかり、結婚式もでき、結婚したいどうぶつと出会える。それがコミュニケーションゲーム『あつまれ どうぶつの森』である。ちなみに前作『とびだせ どうぶつの森』では、南の島のクラブコトブキを介して、見知らぬユーザーと交流することができた。表には出ていなくとも、前作時点で『どうぶつの森』を経由して愛を育んだユーザーはいたのかもしれない。『あつまれ どうぶつの森』はNintendo Switch向けに発売中だ。