インディースタジオのZachtronicsは1月6日、対戦型ソリティア『NERTS! Online』を配信開始した。対応プラットフォームはPC/Mac/Linux(Steam)で、無料にて入手することができる。
ソリティアといえば、ひとりで遊べるトランプゲームの代表格だ。黒のマークと赤のマークが交互に並んだカードの上に、数字がひとつずつ少なくなっていくようにカードを移動していく。1〜Kまで順番に重ねたカードの組みが4セットできたらクリアとなる、シンプルなゲームだ。PCにプリセットで入っているアプリとして親しんだことのある人もいるだろう。Zachtronicsはそんなソリティアを、最大6人で遊べるバトルロワイヤルにアレンジした。
プレイヤーはそれぞれ52枚ずつのカードデッキを配られる。それぞれ数字の順に並べ、山札をすべて消費することが目的となる。通常のソリティアと異なるのは、組札の場は参加者全員が共通という点だ。エースのカードが4枚×人数分存在しているため、通常よりも組札を作りやすくなっているのが特徴。ただしそれは他の参加者も同じ。自分がせっかく出したエースの札の上に、他のプレイヤーが2の札を置いて横取りしてしまうこともあるのだ。勝つために自身のカードを送り出さなくてはならないものの、同時にそれは相手に攻勢のきっかけを与えるリスクともなりうる。自分の手札から出せるカードを素早く判断しつつ、他の対戦者より先んじて場に札を叩きつける必要があるのだ。本来はじっくり長考するゲームのソリティアが、スピーディな緊張感溢れるマルチプレイゲームに仕上がっている。
開発元のZachtronicsは、難解なパズルゲームの開発で知られる老舗のインディースタジオ。錬金術をモチーフとした『Opus Magnum』や工業がテーマの『Infinifactory』などで知られるほか、最新作として80年代初頭のUSミリタリーをモチーフとした『Möbius Front ’83』を発売した(関連記事)。数々のオリジナリティ溢れるパズルを生み出してきたスタジオだが、本作はZachtronicsスタジオでお昼休みに流行っていたトランプの遊びをビデオゲーム化したもの。アーティストのKyle氏が起点となって職場での流行を作り出し、徐々にハウスルールを発展させた。2020年の新型コロナウイルスの影響があってからは在宅勤務となり、対面で遊ぶ機会は減少。代わりにリモートで遊べるオンラインのシステムを生み出し、このたび無料ゲームとしてお目見えしたという流れのようだ。
『NERTS! Online』はSteamで無料にて配信中だ。