「マリカー」訴訟で任天堂側の勝訴が確定。最高裁判所が上告を退け、2018年より続く法廷闘争に幕


最高裁判所は12月25日、公道で『マリオカート』に酷似した小型カートを貸し出していた企業に対し、上告を退ける決定を下した。この判決により、同社を訴えていた任天堂側の勝訴が確定となった。

今回任天堂による訴訟を受けていたのは、東京都内に所在する「MARIモビリティ開発」。同社はマリオやヨッシーなどの衣装を貸し出し、「マリカー」と書いた標章を使った上で小型カートをレンタルする事業をおこなっていた。これに対し任天堂は不正競争行為にあたるとして、『マリオカート』シリーズに関連した標章やキャラクターの使用禁止を求めていた。

訴訟は2018年から続いており、同年9月には一審・東京地裁判決が、MARIモビリティ開発側に1千万円の損害賠償の支払いを命令している。これに対し被告側が控訴すると、任天堂側は損害賠償の請求額を増額。今年1月には2審の知的財産高等裁判所において、「任天堂の『マリオカート』やキャラクターは著名で、レンタル会社はそれを不当に利用しようという意図を持って、不正競争行為を行っている」と判断された。この時点で、「マリカーなどの標章の使用禁止」「キャラクターの衣装の貸し出しの禁止」「5000万円の賠償」が命じられている。

判決に対し、MARIモビリティ開発側はまたしても上告。法定での争いは今年12月まで長引き、最終的には最高裁判所第1小法廷の木澤克之裁判長がレンタル会社側の上告を退ける決定を下した。訴訟が始まってもしばらく「任天堂とは無関係」といった看板を掲げレンタル業を続けていたMARIモビリティ開発だが、今後街中を走るマリオやルイージのコスプレをした観光客の姿を見かけることはなくなりそうだ。