『サイバーパンク2077』内のラジオで流れる“日本語電波ソング”の中毒性がすごい。歌い手の正体は


『サイバーパンク2077』のゲーム内の電波ソング「PONPON SHIT」が人気を集めている。『サイバーパンク2077』は12月10日にPlayStation 4/Xbox One/PC向けに発売されたオープンワールドアクションRPG。PlayStation 5/Xbox Series Xでも後方互換でプレイ可能。本作には現実のアーティストが、ゲームのために多数の楽曲を提供している。日本からはナマコプリが、「PONPON SHIT」を提供した。

その中毒性の高い楽曲はYouTubeでも公開されているので、ぜひ聴いていただきたい。ゲーム内ではカーステレオやラジオで流れてくるので、すでに聴いたこともあるプレイヤーもいるのではないだろうか。「ボディヒート・ラジオ」にチャンネルを合わせておけば、この楽曲が再生されるはずだ。世界中のアーティストによるサントラのなかでも、「PONPON SHIT」は強烈な印象を残す。サントラの情報は11月にすでに発表されていたが、ゲーム内で実際に耳にすることで夢中になったプレイヤーもいるのではないだろうか。

https://twitter.com/kama_iruka/status/1337478945822785536

ナマコプリの楽曲「PONPON SHIT」は、いわゆる電波ソングとよばれる音楽ジャンルだろう。萌え声の女性のボーカルに、性的な含みのある意味不明な歌詞、不思議な擬音語などが電波ソングの特徴。インターネットや美少女ゲーム、アニメとともに育ってきた音楽ジャンルだ。若干アングラ気味な音楽が、『サイバーパンク2077』というビックタイトルの中で再生されるわけだ。

「Yes No Yes No 枕 No」から始まるこの曲は、芸術家アイドルグループナマコプリの楽曲だ。ナマコプリは2013年に美術家のマコ・プリンシパル(マコプリ)氏とNAMAKOLOVE氏が結成したユニット。「PONPON SHIT」ではメンバーのマコ・プリンシパル氏がボーカルを担当しているようだ。同氏は現代美術家の渡辺真子氏としても活動しており、独特な世界観の作品を制作している。

https://twitter.com/yukikawamura821/status/1337925190789988357

※歌詞も公開されている

またマコ・プリンシパル氏は、令和元年に結成された摩訶不思議系デュオまこみなみんとしても活動している。もうひとりのメンバーは女性音楽グループcossamiに所属するminami taga氏。minami taga氏と、ナマコプリとまこみなみんのプロデューサーを務めるカワムラユキ氏は「PONPON SHIT」でコーラスも担当している。サウンドトラックには収録されていないが、カワムラユキ氏のTwitterによると合計3曲の楽曲を提供したとのことだ。

また『サイバーパンク2077』のゲーム内では、楽曲を提供する現実のアーティストに、架空の人格が用意されている。現実のアーティストではなく、ゲーム内世界のアーティストが楽曲を制作したという設定だ。そして本作にはUs Cracks(アスクラックス)という日本人アイドルユニットが登場する。アスクラックスは、キロシオプティクスからスポンサードされたグループで、それぞれのメンバーが特徴的な眼球用のサイバーウェアを装着している。そんなアスクラックスが歌うのが「PONPON SHIT」なのだ。


サイバーパンクは猥雑なアジア感も魅力のひとつ。サイバーパンクの原典的な小説「ニューロマンサー」は、ハイテクと汚濁の都、千葉シティから物語は始まる。映画「ブレードランナー」も街全体が歌舞伎町状態。奇妙なアジアらしさを受け継ぐ『サイバーパンク2077』のナイトシティにも、日本語で喋るギャングがいたり、「HOテル空きPOD有り」など謎の看板が立ち並ぶ。日本語の強烈な電波ソングも、世界観によく合っているのだろう。

「PONPON SHIT」が収録されたサウンドトラック「Cyberpunk 2077: Radio Vol. 2」は、12月18日各種ストアで発売予定。