『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』欧米版ではパッケージ絵にて“竜司が殴られない”。殴られる箇所が鍵か

アトラスは12月9日、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』を欧米向けに発表した。国内版と欧米版のパッケージでは、竜司の扱いに違いがあるようだ。

アトラスは12月9日、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』を欧米向けに発表した。PS4/Nintendo Switchのほか、PC(Steam)向けに2021年2月23日に発売するという。日本では今年2月に発売されたタイトルが、ついに欧米向けにリリースされる。『ペルソナ5』シリーズは海外でも人気ということで、同発表は海外ユーザーを喜ばせたが、一部の人々はパッケージの変化に注目しているようだ。


『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』は、アトラスのペルソナチームがコーエーテクモゲームスのω-Forceとともに開発を手がける、シリーズ初のアクションRPG。『ペルソナ5』エンディングから半年後の夏休みを機に、再び集まった心の怪盗団。異世界ジェイルで新たな事件に巻き込まれたことをきっかけに、怪盗団はキャンピングカーで日本各地を巡る世直しの旅に出ることになる。

ω-Forceが開発に参加しているということで、一騎当千アクションがベースとなる本作。『ペルソナ5』のスタイリッシュな世界観やビジュアルはそのままに、爽快でアクロバティックなアクションを実現しており、国内でも高い評価を獲得している。ゲーム内容だけでなく、ジョーカーが殊勝に笑うクールなパッケージアートも魅力の作品。しかしそのパッケージアートは、欧米版では少し変化が加えられているようだ。


まず国内のパッケージアートを見てみよう。左下には銃を突きつけるジョーカーが大きく映し出されており、真や杏、そしてモルガナや春らが臨戦態勢。祐介と双葉も真剣な様相を見せており、新キャラたちもバトルモード。そんな中、ひとりだけコミカルに描かれたキャラクターがいた。竜司である。ひとりだけ、敵シャドウに殴られているのだ。

国内版


竜司こと坂本竜司は『ペルソナ5』シリーズにおける、主人公の相棒ともいえる仲間キャラクター。学校内では不良扱いされているが、真っ直ぐで熱い性格を持つ。融通が効かずキレやすい一面もあるが、主人公のジョーカーに寄り添う重要な役割を果たしている。竜司は熱血キャラということで、コミカルな立ち位置を担うことも多い。ようは、何かと殴られがちなのだ。竜司が余計なことを言い痛い目にあうことで、物語の緊張感が緩和される。そんなシーンが散見される。肉体派で本人の身体も(一部を除き)丈夫なので、多少ひどい目にあってもプレイヤーも心配無用。身体を張ったムードメーカーとなっている。それゆえに、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』のパッケージアートでも、アクセントとして殴られることになったのだろう。

欧米版


しかし欧米版では、竜司は殴られていない。厳密にいえば、“まだ殴られていない”というべきか。敵のパンチを前にして武器を振りかざしている。振りかぶりが大きすぎて、このまま殴られることは不可避のように思えるが、いずれにせよパッケージアートでは殴られていない状態だ。なぜ竜司の殴られ描写は変更されたのか。殴られていた箇所が問題視されたのではないかと、TwitterユーザーAlex氏が指摘している。

アメリカのレーティング機関ESRBは、ゲームタイトルの宣伝素材にもガイドラインを設けている。カバーアートも、そうした素材のひとつだ。ガイドラインのセクションのひとつに、暴力表現についても言及されている。禁止されている表現としては、過剰な流血や拷問、火を使った残虐表現などが連ねられているが、「頭部への攻撃」もまた対象となっているのだ。いくらコミカルであっても、顔パンチはNGということかもしれない。あるいは、欧米コミュニティの一部メディア/ユーザーが、竜司が殴られ役になっていることについて不満を表していたことを踏まえ、変更された可能性もありそうだ(Fanbyte)。興味深いながらも、些細な問題ではある。パッケージで殴られるようとも、もしくは殴られなかろうとも、竜司とキャプテンキッドの輝きが曇ることはないだろう。

『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』は、PS4/Nintendo Switch向けに発売中。海外向けに発表されたSteam版が、国内向けにも発売されるかどうかは、現時点では定かではない。ただしアトラスおよびセガは『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』Steam版を国内含めグローバルに発売し成功を収めているだけに、Steam版の国内リリースにも期待できるかもしれない。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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