ゲーム実況プラットフォームTwitchから、事前情報無しプレイ「Blind Playthrough」タグ削除。身体障害を指す言葉を使う必要はないとして


Twitchのコミュニティ&クリエイターマーケティング・ディレクターErin Wayne氏は12月5日、Twitchでの配信動画に使用できるタグから「Blind Playthrough」を削除したことを報告した。利用者からのフィードバックを受けての措置だという。


Twitchでは、ゲームプレイなどの配信時にタグを設定することが可能。タグには、プレイするゲームのジャンルを表すカテゴリータグと、配信者が話す言語などに合わせて自動的に適用される自動タグ、そしてより具体的な配信内容を表す配信タグがある。配信タグの種類は多岐にわたり、プレイスタイルなどのほか、ゲーム以外の趣味に関するものも数多く用意。これを利用することで、配信者はどのような配信をおこなっているのかを明確にでき、視聴者も特定の配信を探しやすくなる仕組みだ。

今回削除されたタグ「Blind Playthrough」は配信タグに属していた。そのゲームに関する事前情報なし(Blind)に、通しプレイ(Playthrough)することを示すタグである。新鮮な気持ちでプレイすること、またそのリアクションを視聴者が楽しむことを目的とした配信となるため、チャットにて攻略のヒントなどを書き込まないことを視聴者に求める意味合いもある。

ここで使用されているBlindという言葉は、目が見えないことや盲目の人を意味し、転じて上述したように事前情報を持っていない状態などを表すこともある。このように身体の障害を指す言葉を使って、障害ではない別の似た状態を表す英語の言い回しは、ほかにも多数見られ広く使用されている。


ただ、身体障害を持つゲーマーを支援する非営利団体AbleGamersのCOO Steven Spohn氏は、そうした言い回しにおいては、身体障害を指す言葉をネガティブな形で利用しており差別的であると指摘。実際のところ、それぞれの状況をもっと的確に言い表す言葉があるため、普段の言葉遣いに気をつけようじゃないかと呼びかけている。その中で、Blind Playthroughについても、「First(初めて)」などの言葉に置き換えられるだろうと提案した。

Twitchはそうした意見に耳を傾け、Blind Playthroughタグを削除したようだ。前出のErin Wayne氏は、「First Playthrough(初プレイ)」や「No Spoilers(ネタバレなし)」といった既存のタグを組み合わせて利用することで、同様の配信内容を表すことができるとしている。ちなみに、Twitchには「Blindfolded」というタグも存在するが、こちらは配信者が文字どおり目隠しプレイすることを指すため存続となる。

言葉の意味合いや使い方は時代の状況によって変化するもの。Blindを含め、身体障害を指す言葉を使った言い回しは差別的ではないかという議論はかねてより存在したが、Twitchは、コミュニティからの意見を受けて素早く対応したかたちとなった。もっとも、タグではなく配信タイトルにBlind Playthroughと記載する配信者は依然として存在する。個々の理解が進めば、そうしたタイトル名も変わっていくかもしれない。