『VA-11 Hall-A』続編となる『N1RV ANN-A』延期、発売未定に。開発難航で苦しむ
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Sukeban GamesのFernando Damas氏は12月2日、『N1RV ANN-A』の発売延期を発表した。これまで2020年発売とされていたが、ひとまず発売時期は未定になるという。Fernando氏は、延期に至った背景について説明している。
『N1RV ANN-A』は、バーテンダーアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは、高級バー「N1RV ANN-A」が存在する理想郷のパラダイス、セイント・アリシア島。人工島の豪華さはただの見せ掛けに過ぎず、実はその裏では経済組織が暗躍しており、島民の日常生活のあらゆるところに影響を及ぼしている。また、バーを訪ねる多様な客らはマフィア組織による恐喝や人身・麻薬売買など、さまざまな犯罪や悪業に悩まされ続けている。プレイヤーは、同様に悩みを抱えるバーテンダーのサムとして、バー「N1RV ANN-A」にてお客にカクテルを提供しながら、世界の陰謀や裏側を知っていくことになる。
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『N1RV ANN-A』は、カクテルを提供することで物語が展開されていく『VA-11 Hall-A』の続編として期待を集めていた。2018年には東京ゲームショウ2018にてプレイアブル出展がなされるなど、開発は順風満帆かと思えた。しかし、内部ではさまざまな問題があったのだという。
プログラマーでありシナリオライターでもあるFernando氏は、自身で『N1RV ANN-A』のすべてを進めようとした結果燃え尽きたような状態に。結局今年にはいってから、別のプログラマーが1からシステムを再構築しているのだという。ストーリー面についても、メンバー同士に意見の相違があり議論に発展。結果的にはストーリーはより良いものになったそうだが、そうした議論にも時間を要したという。進め方やプロットはクリアになってきたものの、まだリセットしたばかりの状態とのこと。つまり、開発はまだ初期段階なのだ。それゆえに、発売時期を未定としたようだ。
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また、Sukeban Gamesでは現在6人のコアメンバーがいるという。同スタジオはベネズエラ人のChristopher Ortiz氏とFernando Damas氏により立ち上げられたスタジオ。昨年7月には日本人スタッフであるバンブー氏が加わったことが発表されていたが、コアメンバーはすでに6名まで増やしていたようだ。Fernando氏以外のメンバーは別のプロジェクトを進めているとのこと。具体的には、ふたつのプロジェクトが進行しているそうだ。『N1RV ANN-A』の開発が難航しているからといって、Sukeban Gamesが止まっているわけではないということだ。
Fernando氏は「N1RV Ann-Aの開発はVA-11 Hall-Aよりもよっぽど複雑で、色々とつらいこともありました」としつつ、そうした経験を生かしていきたいと語っている。燃え尽きない、毎日コツコツ進めるやり方についても見えてきているという。失敗は成功の母というように、経験を重ね成熟するSukeban Gamesの今後の飛躍を期待したい。『N1RV ANN-A』は、国内向けにはPLAYISMより発売予定だ。