AI同士のサバイバルを見守るリアリティ番組『Rival Peak』発表。Facebookによる視聴者参加型インタラクティブ・シミュレーション

「Welcome to Rival Peak」トレイラーよりキャプチャー
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Facebookは12月1日、12人の出場者が森の中でサバイバル生活を送るリアリティ番組『Rival Peak』を発表。日本時間12月3日午前11時30分よりFacebookでの配信を開始すると伝えた。リアリティ番組といっても、舞台となるのはゲーム内の世界であり、出場者を操作するのは人間ではなくAI。視聴者は、AI操作の出場者たちが苦難を乗り越えていく様子を見守るのだ。

ときには協力し、ときにはイチャつく出場者たち。視聴者はただ見守るだけでなく、視聴者のアクションに影響を及ぼせるようになっている。応援によって特定出場者の採掘・クラフト作業速度を上げたり、次にすべき行動を選択したり。テキストベースで交わされる出場者同士の会話を読むことも可能。お気に入りの出場者を見つけて応援していくのだ。


Facebookは同作について、従来のゲームとは異なるインタラクティブ・ライブイベントと表現。出場者には、主婦のMira、体育教員のCoach、ビジネスウーマンのInolaなど個別の背景設定があり、各自のFacebookページまで設けられている。視聴者は各参加者のプロフィールのほか、幸福度・社交性・空腹度・喉の渇きといったパラメーターを確認し、彼/彼女らが次に何をすべきなのかを考え、導いてあげるのだ。参加者がとった行動によってスコアが加算されていき、スコアが低い者は脱落候補者に。毎週、視聴者投票によって脱落者が決まっていく仕組みだ。なおシミュレーションやリアリティ番組として楽しむだけでなく、同番組の裏にある秘密を巡るナラティブ要素も体験できるという。

『Rival Peak』はFacebookでの3か月にわたる配信を通じて、視聴者参加型の番組が進行する。配信は毎日、日本時間の午前11時(太平洋標準時間の午後6時)に始まる予定。木曜日(現地時間の水曜日)に限り、各週の展開を振り返るトーク番組「Rival Speak」を挟む都合上、午前11時30分スタートとなる。番組は8時間単位で配信され、8時間が過ぎると10分のメンテナンスを挟み、再放送が始まる。


『Rival Peak』のライブストリーム技術開発には、インタラクティブなライブ配信コンテンツの実装に使われるミドルウェア「Genvid SDK」の提供会社Genvid Technologiesが関わっている。同社は『Rival Peak』について、「ハンガー・ゲーム」と『The Sims』を合体させた作品とも表現している。また、シミュレーションおよびAI技術の開発は米国のゲームスタジオPipeworks Studiosが担当。視聴者からのインプットも想定した、同社のFORNAP AIエンジンが採用されている。

視聴者参加型のライブ配信機能は、これまでにも複数のゲームが試みている。視聴者がゲーム内で発生するイベントを決める『Hyper Scape』や『Darwin Project』などの過去事例はあれど、プレイヤー人口と視聴者人口の両方を確保する必要があり、人気の出るコンテンツとして成立させるにはハードルが高かった。その点、『Rival Peak』は「プレイヤー」の役割をAIに任せ、「視聴者」として楽しめるコンテンツに特化した試みとなっている。Twitch視聴者がコメント入力によってゲームを操作する「Twitch Plays」を彷彿とさせる部分もある。はたしてFacebookは、20億ものユーザーを抱える巨大なプラットフォームを活かし、インタラクティブなリアリティ番組として話題を呼ぶことができるのだろうか。

「Welcome to Rival Peak」トレイラーよりキャプチャー


海外メディアVentureBeatによると、プロジェクト予算は1000万ドル(約10億4000万円)以上だという『Rival Peak』。うまく人気が集まれば、新シーズンに着手するとのこと。『Rival Peak』はFacebookより視聴可能。最新バージョンのChrome/Firefox/SafariおよびAndroidのFacebookアプリに対応している。iPhone/iPadは現状非対応。

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