パブリッシャーのForever Entertainmentは11月26日、Nintendo Switch版『スィーフ シミュレーター(Thief Simulator)』を日本で配信すると発表した。12月3日より購入が可能となる。
『スィーフ シミュレーター』は2018年にSteamにて発売された、一人称視点のステルスゲームだ。プレイヤーは泥棒となり、近隣の住宅街を自由に歩き回って窃盗を働くことができる。盗みを成功させるには相応の準備が必要だ。ターゲットとなる家に目星をつけたら、住民の生活スケジュールやセキュリティ状況などを綿密に観察しよう。人がいなくなる時間を見計って作戦決行。忍び込んだ住宅内でなるべく価値のある物品を収集するのだ。持てる量には限りがあるため、瞬時に金目のものを見分ける判断力も重要だ。無事に獲得した盗品を売り払えば、利益を使ってより高度な窃盗ツールを購入することができる。新たな盗みのスキルを習得しながら、大泥棒を目指していこう。
本作が評価されるポイントのひとつに、チュートリアルの丁寧さがある。海外メディアNintendo Lifeは、多種多様な盗みのテクを丁寧にプレイヤーへ提示する導入に好評価を下している。経験値の獲得により新スキルを段階的に獲得していく流れも、テンポ感としては良好な様子。ただし、能力アンロックのために何度も同じ家に入り直すことになる単調さについては苦言が呈されている。同様の評価はSteam版のレビューでも聞かれ、最初から何でもできるわけではないレベルデザインや作業感は好みが分かれるところだろう。
またユーザーレビューにて賛否両論となったシステムが「解体」要素だ。本作では、盗んだものを横流しに売りさばくだけではなく、より高値で売却するための工夫を凝らすことができる。鍋とフライパンはセットにした方が高く売れる、ただの質屋よりも廃品屋やブラックマーケットに流した方が収入が大きくなる、といった具合だ。そしてより利益を出すために必須となるのが、盗品を解体する作業である。
盗んだ自動車はそのまま売るより、部品にした方がはるかに利益となる。したがって分解作業はほぼ必須の要素だ。ところが本作においては、自動車をバラすパートが異様に細かいのである。タイヤのボルトを外し、ホイルを外し、中の部品を取り出し……と、サスペンションからエンジンまでネジをひとつひとつ外させる徹底ぶり。クリック判定もかなりシビアで、泥棒シミュレーターの中に自動車分解シミュレーターがもう1本入っているかのような細かさだ。別の本格シムが楽しめてお得と考えるか、盗みだけに集中したいと考えるかによって、この部分の評価は変わってくるだろう。
Nintendo Switch版『スィーフ シミュレーター』は12月3日に配信開始を予定している。