『あつまれ どうぶつの森』で「喫茶ハトの巣」に行きたすぎる人続出。あの手この手でダンディズムを再現する“ジェネリックマスター”作例集

Image Credit : Birne_Helene / 任天堂

『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)にて、どうしても「あの施設」を訪ねたいユーザーが続出しているようだ。待望の無料アップデートVer.1.6.0が11月19日に配信され、ウィンターシーズンが到来した本作。今、島民たちの間でアツいのはクリスマスデコレーションにアフロヘア、ヨガポーズの自撮りなど。各自思い思いの冬を楽しんでいることかと思うが、中にはちょっとした冬の贅沢に恋い焦がれているユーザーもいるようだ。寒い日の楽しみといえば、暖かい店に心地いい音楽、鼻を掠めるほろ苦い香り。そう、喫茶店である。

『どうぶつの森』における喫茶店といえばシリーズおなじみの看板、喫茶「ハトの巣」。ニンテンドーDS『おいでよ どうぶつの森』が初登場で、無口でダンディーな鳩のマスターが経営する純喫茶店だ。シリーズによって立ち位置は異なるが、博物館の地下にて営業されている印象が強いだろう。24時間憩いの空間を提供しており、特定の曜日の夜にはとたけけのライブが開催される。シックな店内で歌声を堪能しながら味わう1杯はまさに大人の癒し。はじめは素っ気ないマスターも、店に通い詰めて常連になれば徐々に心を開いてくれるようになる。時には特定の住民が客として現れ、普段は見られない顔を見ることもできた。
 

 
ただベルを払ってコーヒーを飲む。ゲーム内の施設としてはあまりにも慎ましい遊び要素だが、その「引き」の姿勢が『どうぶつの森』ファンの心をつかんできた。別に何かのバフを求めてお金を払うのではない。田舎村の片隅で熱い1杯をすする、そのロールプレイを味わいたいから皆ハトの巣を訪ねるのだ。実用的には何の意味もない“ごっこ遊び”が大好きな『あつ森』プレイヤーにとって、喫茶店は何とも魅力的な一要素。ところが最新作には、今のところマスターが現れる様子はない。いつも店を構える博物館の地下は恐竜の化石展示に占められ、純喫茶が看板を出す気配は一向にないのだ。

発売から1年と経たず続々コンテンツを追加している本作であるから、今ないからといって今後ハトの巣が出店しないとも限らない。だが、中にはゲーム内の実装を待ちきれない熱烈ファンもいるようだ。一部のユーザーからは、インテリアコーディネートによって自主的にハトの巣を再現する動きが出てきている。
 

 
海外掲示板RedditユーザーBirne_Helene氏の作例を見てみよう。エスプレッソマシンや丸椅子などのシックな基本家具で雰囲気を構築しつつ、棚にぎっしり並んだカップ類などは壁掛けマイデザインで表現。ベースをしっかり固めつつディティール再現までこだわった、手堅い再現例といえるだろう。しかし一際目を引くのは、カウンター奥の緑のダンディー。皆が憧れたマスターがなぜかそこにいるのだ。しかもよく見たらポマードでなで付けられた立派な黒髪まで……といったところで種明かし。こちらのマスターは、マイデザインで作成した「まるがたワンピース」をトルソーに立てかけたもの。黒髪に見えたものは首や袖を通す穴だ。型紙とマスター、両者の丸っこいフォルムを活かした粋な「見立て」が映える作例だ。同様のワンピーステクは、別のRedditユーザー Airu_Seok氏も活用。こちらは来客用の傘立てや外套かけなど、細やかなフレーバーが光る演出だ。いずれの例も、「大人の休日」ごっこがはかどりそうな好例といえる。
 

 

 
まだ作中に登場しないのをいいことに、さらなる自由な想像力を発揮する人も。Redditユーザーのcalynehid氏の作例は「マスターのハトの巣(ただし店はニューヨークにある)」。内装はベーシックな喫茶店の様相ながら、その窓の外はまさかの摩天楼。壁紙を取り替えただけでハトの巣の立地をがらりと変えてしまった。聞けば、フータに誘われて博物館に来る前は都会で店を構えていたというマスター。当時はまったく客足がなかったそうだが、この立地では少々ハイソすぎたのかもしれない。ニューヨークといわれてみると、中の調度品も古めかしい純喫茶というより若干垢抜けたカフェ風にも見える。ゲーム中にいないからこそ、自由な発想でカスタムされたハトの巣だ。
 

Image Credit : calynehid / 任天堂

 
最後はRedditユーザーmfuentes28氏の作例である。順を追って見てみよう。まずは「マスター」に言及しないわけにはいかない。ヘアスタイルは、先日の冬アップデートで実装されたスキンヘッドスタイルをさっそく活用。ハロウィンで実装された緑肌も活用し、マスターの愛らしい丸頭を可能な限り再現した。次に彼のチャームポイントといえば、ナイスミドルの象徴であるチョビ髭。あるいは少々時代遅れな銀縁メガネ。mfuentes28氏は両者を合理的に表現する最大公約数を発見し、採用したようだ。圧倒的存在感を放つ鼻に関しては、角度によってはクチバシに見える、かもしれない。その他、忠実に喫茶を再現しているかと思えばカウンター内に自販機があったり、無造作にフルーツが盛り合わせてあったり、どことない「抜け感」が完コピではない独特の味わいを醸し出している。
 

 
いずれのケースでもマスターへの愛があふれており、プレイヤーらがハトの巣に恋い焦がれているのがひしひしと伝わってくるコーディネートばかりだ。任天堂の発表によれば、次回のアップデートは早くも来年1月下旬に配信されるとのこと。皆大好きな純喫茶が戻ってくるのか、熱い1杯をすすりつつ期待したいところだ。