PS5『Demon’s Souls』謎の扉がついに開かれる。扉の向こうにあるのは、なぜあのアイテムなのか、開発者が理由語る【UPDATE】

PS5『Demon’s Souls(デモンズソウル)』謎の扉がついに開かれる。待ち受ける報酬も、リメイク版『Demon's Souls』の新アイテム。第一発見者は有名スピードランナーのDistortion2氏だ。

PS5『Demon’s Souls(デモンズソウル)』で追加された隠し扉の謎が、ついに解明された。オリジナル版にはなかった隠し扉を最初に開いたのは、スピードラン走者として有名なDistortion2氏である。

*本稿には、隠し扉の開け方、扉を開けた先で手に入るアイテムに関するネタバレあり

【UPDATE 2020/12/18 9:30】
扉の向こうにあるのは、なぜあのアイテムなのか。開発者からの回答が得られたため本稿末尾に追記。


同作では先日、ボーレタリア王城3にて、オリジナル版にはない隠し扉が発見された。フォトモードを使うことで、扉の向こう側にアイテムがあることは分かったものの、しばらくは事態が進展せず。だが11月18日になり、オリジナル版にはない新アイテム「Ceramic Coin」が発見された(関連記事)。このコインこそが扉を開くカギにつながると信じたファンたちが、一斉に調査を開始した。11月18日から11月20日の扉解錠まで、redditではCeramic Coinの情報が行き来していた。

Ceramic Coinは、リメイク版の新ゲームモードである「フラクチャードワールド」にて手に入る新アイテム。世界傾向が白のときと、黒のときとで、入手場所が異なることが確認されている。まだ調査開始から日が浅いということで、1周で手に入れられる総数は確定していない。特定の世界傾向・特定の木箱の中といったように、普通に探しているだけでは見つからない条件下・場所に隠されたアイテムである。

19日には、「ぴかぴか、キラキラちょうだい」のカラスに同アイテムを渡せることが判明。ただ、コインの枚数が足りないと返却されてしまうため、Ceramic Coinの入手場所とともに、「何枚必要なのか」という点も注目を集めていた。そして11月20日、フラクチャードワールドで周回し、コインを30枚蓄えたDistortion2氏は、ついにカラスとのアイテム交換に成功する(※のちの検証により、実際に必要な枚数は26枚であると伝えられている)。かなりの時間を費やしただけあって、思わず大きく声を漏らすDistortion2氏であった。

*カギ入手の瞬間は1分〜より。扉解錠の瞬間は5分15秒〜より


アイテム交換によって手に入れたのは「Rusted Key」。さびついたカギだ。Ceramic Coinが扉開放のカギにつながるというコミュニティの予想は大当たり。Rusted Keyによって、ボーレタリア王城にある謎の扉は開かれた。一体、扉の向こうで何が手に入るのか。興奮と緊張の瞬間であった。手に入ったのは、「つらぬきの騎士(Penetrator)」の防具セット。つらぬきの騎士は、鎧をまとい、長剣を振るう騎士であり、その名にふさわしい強力な突き攻撃を仕掛けてくる。オリジナル版にも登場していた敵だ。謎の扉があるボーレタリア王城3で遭遇するほか、同ステージでは「つらぬきの剣」という武器を入手できる。


つらぬきの騎士の武器は入手できるものの、防具はオリジナル版に存在していなかった。リメイク版では、武器・防具をつらぬきの騎士セットで揃えることができるわけだ。出血・毒耐性がある防具であり、斬・刺に対する防御力が高い。重装備ゆえに、スタミナ回復速度がわずかに遅くなる。アイテム説明欄には「不可能に近い困難を乗り越えた報酬」であると記されてある。具体的な初期性能についてはDistortion2氏の動画にて確認可能。なお、地面に落とせないアイテムとなっている。

オリジナル版にはない新たな謎としてコミュニティを湧かせた、コインと隠し部屋の謎。なおリメイク版の開発元Bluepoint Gamesが手がけたPS4版『ワンダと巨像』にも、コインと隠し部屋という組み合わせの新要素が追加されていた。こうしたコインと隠し部屋が関連するという過去事例が、『Demon’s Souls』の謎解きのヒントになっていた。

今回のつらぬきの騎士セットという報酬は、世界観を壊さず、オリジナル版に忠実ながらもファンを喜ばせるチョイスではないだろうか。なぜつらぬきの騎士セットなのか、という点については諸説あり、オリジナル版『Demon’s Souls』が出た2009年ごろ、ちょっとしたネットミームになっていたからでは、という意見も。北米PlayStation.Blogでは、つらぬきの騎士はクリエイティブ・ディレクターGavin Moore氏の一番のお気に入りであるとの記載もある。
【UPDATE 2020/11/20 12:35】PlayStation.Blogに関する記述を追加

つらぬきの騎士セットの第一発見者であるDistortion2氏は、主にスピードラン走者として活動している。ただ、今作では扉の謎を解くために時間を費やしてきたため、まだスピードランは本格始動していない。今後は、本業での活躍に移行していくことだろう。

【UPDATE 2020/12/18 9:30】
PS5版『Demon’s Souls』で追加された、オリジナル版にはない隠し扉。その向こうに待っていたのは「つらぬきの騎士」の防具セットであった。ではいったいなぜ、隠し扉の謎を解明した者への報酬として、「つらぬきの騎士」防具セットが選ばれたのか。凝りに凝った謎解きということもあり、どのような想いを込めて報酬を選んだのか。弊社よりSIEに問い合わせたところ、同作クリエイティブ・ディレクターのギャビン・ムーア氏からの以下回答が得られた:

「おっしゃる通り、『Demon’s Souls』ファンの皆様が力を合わせてきっと解いてくれるだろうとの想いから、この謎解きにはかなり力を入れました。謎を解いた際に入手できる報酬はユニークかつ、武器や魔法の種類に関係なく、プレイヤーが費やした時間と労力に見合ったものに、そしてすべてのプレイヤーにとって嬉しい報酬になるようにしたいと我々チームは考えました。

チームとの長い議論を経た後、以下の理由から「つらぬきの騎士の防具セット」を報酬に決定しました。ご存知の通り「つらぬきの剣」はすでにゲーム内に存在しており、さらにお揃いのアーマーを身に着けてこの武器を振るうことができるようになるというのは、とても自然であると感じました。また、この「つらぬきの騎士の防具セット」は『Demon’s Souls』のボスが装着している防具セットを直接装備できる唯一のものであり、防具セットを身につけることで、例えば指輪ではできないような、外観からゲーム内の他のプレイヤーに自身の功績を示すことができます。そして最後の理由ですが、正直、見た目がカッコいいから!となります」

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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