『あつまれ どうぶつの森』アプデにより「時間操作によるイベント先行体験」が不可能に。トラベラーにサプライズは奪わせない
任天堂は11月19日、『あつまれ どうぶつの森』更新データ(Ver.1.6.0)の配信を開始。その中で、時間操作プレイヤーに対する制限を課したことが判明した。具体的には、時間操作をすることで先行してイベントを体験することが不可能となったのだ。
『あつまれ どうぶつの森』では、Nintendo Switch本体の時間を変更することで、ゲーム内の時間操作が可能。イベント進行に必要な時間経過をスキップし、季節外の虫や魚を捕まえるといったこともできる。一方で、時間操作では楽しめないコンテンツもある。期間限定イベントだ。本作では定期的なアップデートが実施されており、アップデートファイルをダウンロードすることで季節限定のイベントが楽しめる。つまり今年3月に発売された時点では、夏や秋のイベントは実装されていなかったわけだ。
だが逆に言えば、アップデートが実施されていれば、時間操作によってイベントを先行体験することができる。夏の花火イベントは、大型アップデート後に日曜の実施を待たずしてその内容を確認するユーザーが見られており、ハロウィンイベントもまた先行体験可能であった。つまり、7月30日に大型アップデートが実施された際に、8月2日のイベントを時間操作によって先に見ることができたのだ。
しかし、11月26日より実施されるサンクスギビングデーや、12月24日に実施されるクリスマスイベントは、当日にならなければ楽しむことができない。本日大型アップデートが実施され、ゲーム内にイベントが実装されている状態でありながら、その内容を知ることが困難になった。過去イベントでも一部見れないものがあったが、仕様が復活したわけだ。
【UPDATE 2020/11/19 21:00】
過去イベントでも時間操作によって見れないものがあったことを追記
イベント先行体験は、プレイヤーの楽しみ方のひとつ。行為そのものは否定できない。しかしながら、それをSNSでシェアするとなると話は別。イベント内容が“時間操作組”によってネタバレされるケースも出てきており、それらを見てしまえばサプライズがなくなってしまう。過去の『どうぶつの森』シリーズでも似たようなイベントがあったとしても、今作ならではの仕掛けを、イベント当日に知りたいと願うのはもっともな想い。サンクスギビングデーもクリスマスもビッグイベント。年末年始のイベントについても示唆されており、これらを今の段階でバラされてしまえば、興ざめしてしまう。サプライズが奪われる可能性について、開発元が憂慮した可能性がありそうだ。
また開発陣は「時間操作なしで楽しむのが理想的」というスタンスをメディアインタビューなどで表明しているが、時間操作の可否そのものについてははっきりしたコメントを避けている。そのほか、ディレクターの京極あや氏はアップデートによる季節イベントの追加は、時間操作者対策ではないとも語っていた。時間操作については、推奨はされていないものの、かといって禁止はされていない、非常に曖昧なものなのだ。
ただし、他ユーザーへの危害やゲームバランスという部分では任天堂も目を光らせており、たとえば時間操作者を見越して預金金利が引き下げられた事例がある。タイムトラベラーが、時間旅行を介してサプライズを奪う事例が多発しているとすれば、今回の調整を妥当とする意見も出てくるだろう。
逆にいえば、多くのユーザーがその内容を知らない状態にて、秋と冬のイベントが体験できる。イベント内容やサプライズへの期待も大きく高まることだろう。サンクスギビングデーや、クリスマスイブにはどのような体験がプレイヤーを待ち受けるのだろうか。当日を楽しみにしておこう。『あつまれ どうぶつの森』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。