FPS『XIII サーティーン 〜大統領を殺した男〜』のリメイク版、多くのバグを抱えたままの発売となりメーカーが謝罪。今後の改善を約束
パブリッシャーのMicroidsは11月13日、先日リリースしたFPS『XIII』に関して、開発元Playmagicとの連名で声明を発表。多くの技術的問題を抱えたまま発売したことを謝罪した。
『XIII』は、1980年代から刊行された人気グラフィックノベル「XIII」を原作に、2003年にリリースされた同名のFPS作品のリメイク版だ。オリジナル版は、日本でも『XIII サーティーン 〜大統領を殺した男〜』として2004年に発売。カルト的人気作として語り継がれ、リメイク版の発表時には多くの注目を集めた。
主人公は、「XIII」と彫られたタトゥーと、高度に訓練された戦闘スキルを持つ記憶喪失の男。彼は米国大統領暗殺犯の嫌疑をかけられ、その背後にある陰謀を追う。リメイクにあたっては、オリジナル版と同じくトゥーンレンダリングを採用し、吹き出しや擬音などのコミック的表現も継承しながら、グラフィックを現代的にアップデート。一方、楽曲やボイスはオリジナル版のものを使用しているという。
本作は、もともと2019年11月に発売予定だったが、発表時の反響の大きさを受け、可能な限りベストな作品としてファンに届けるためには、さらなる開発期間が必要だとして2020年へと発売延期。そしてちょうど1年後の今年11月10日に、PC(Steam)および海外PS4/Xbox One向けにリリースされた(2021年にはNintendo Switch版も発売予定)。
しかし、多くのバグが残されたままであったことが発覚しメディアレビューは低迷。リメイク内容についても、オリジナル版の何が素晴らしかったのかを掴みきれていないと指摘する意見もある。また本稿執筆時点で、Steamのユーザーレビューでは全体のわずか9%のユーザーしか好評に投じておらず、ステータスは「圧倒的に不評」となっている。
*至近距離でもプレイヤーに気づかない敵や、操作の不具合、グラフィックのバグなど問題多数。
こうした不評を受けてMicroidsとPlaymagicは、本作のプレイヤーが技術的な問題によってフラストレーションを抱えていることは理解しているとして謝罪。新型コロナウイルスの影響が、開発や品質管理の過程に及んだことが原因だったとした。また、本作の問題はDay 1パッチによって改善させる計画だったが、開発に遅れが生じたことで配信が叶わなかったとしている。
現在は、本作のすべての問題を解決させるため取り組んでおり、今後数週間にわたって複数のパッチを配信するという。最初のパッチはすでに配信済み。クラッシュする問題や多数のバグを修正したほか、ローカルマルチプレイモードの追加もおこなっている。また今後のロードマップとして、フレームレートや安定性の向上や、NPCのAIの改善、その他ゲームプレイやグラフィック、サウンド面での多くの項目についての改善が計画されている。
『XIII』の開発元Playmagicは、数多くのAAAタイトルに開発協力してきた実績があるスタジオ。技術力は確かなようだが、新型コロナウイルスの影響によってスケジュールに遅れが生じたままリリースを迎えたことが、本作の完成度を著しく下げてしまったようだ。レビューでは「オリジナル版を買ったほうがマシ」といった厳しい評価も寄せられているが、パッチ配信によって挽回されることを望みたい。