DICE元メンバーが設立した新スタジオEmbark Studiosが最新映像を公開。超美麗なSFアクションゲームなど複数プロジェクトが進行中


DICEの元メンバーが多く在籍するEmbark Studiosは11月13日、公式ブログを更新して最新の進捗状況を伝えた。スタジオが開発しているゲームの美麗な映像を少しだけ確認できる。また第1作とは別に、PvPシューターの開発も開始したとのことだ。
 

 
Embark Studiosは2018年に、スウェーデン、ストックホルムにPatrick Söderlund氏が設立したゲーム開発会社。Patrick Söderlund氏は『バトルフィールド』シリーズを手がけるDICEの代表だった人物だ。同氏は2018年Electronic ArtsとDICEを退職して、同年11月Embark Studiosを立ち上げた。スタジオにはRob Runesson氏など、複数のDICEの元メンバーも共同設立者として参加している。また2019年8月、同スタジオはNEXONにより完全子会社化された。現在スタジオは200人近い規模であるという。

Patrick Söderlund氏は公式ブログで、Embark Studiosの最新作となるゲームの映像を公開している。超美麗な映像で描かれる砂漠地帯、SF的な装備をした人物が駆ける姿が映し出され、ミサイルが地面に降り注いでいる。三人称視点のシューターのようにも見える作品だ。最新作はすでにプロトタイピングを終えており、映像はフィードバックの収集を目的としたゲームのビルド、UXR(ユーザーエクスペリエンスリサーチ)ビルドからキャプチャされたという。ゲームエンジンにはEpic GamesのUnreal Engineが採用されている。スタジオの第1作はまだ謎が多いものの、ジャンルについては過去のブログ内で言及されている。それによると、「遠い未来を舞台とした、フリープレイの協力アクションゲーム」になるはずだ。
 

プロシージャル生成による人物のモデリング

 
このゲームの目標は新旧のゲームジャンルを、技術革新と組み合わせること。過去のブログにはたった3人で制作した、256平方キロメートルものマップのテスト動画も投稿していた。フォトグラメトリで生成された地形の中、完全に動的な気候と光源を実装している。こうした技術が最新作の映像でも使用されているかもしれない。また新スタジオでゲームを制作するにあたり、ゲームの開発プロセスも見直されているようだ。プロシージャル生成で人物のモデリングを行い、強化学習でアニメーションを作成する。人の手による作業を減らすことは、ゲーム業界で問題になるクランチや燃え尽き症候群を回避するためにも必要になるはずとのことだ。
 

スタジオ第2作目となるPvPシューター

 
さらにスタジオの第2作目にはPvPシューターが計画されている。Patrick Söderlund氏としてはPvPシューターにキャリア全体で関わってきたため、もうやらないつもりだったが、魅力的な企画がもち上がってきたのだとか。こちらのゲームはチームベースのゲームプレイが重要で、目標の破壊がゲームのコアに据えられているという。コンセプトアートも掲載されており、軍人やカウボーイ、ハッカー、侍風の個性豊かなキャラクターが並ぶ。ヒーローシューターのようなジャンルかもしれない。

またほかのプロジェクトについても言及されている。スタジオの大きな目標のひとつに、ゲーム開発とゲームを遊ぶことの境界をあいまいにすることがある。『Dreams Universe』や『Roblox』のようなゲーム作成のプラットフォームや、『マインクラフト』といったサンドボックスゲーム、さらに『フォートナイト』のクリエイティブモードや『Baba Is You』も例に出している。こちらのプロジェクトについても、いずれ詳細が公開されることだろう。