Steam版『KOF 2002 UM』大型アップデート配信開始、ロールバックネットコードを実装。プレイヤー数増加中
SNKは11月11日、対戦格闘ゲーム『THE KING OF FIGHTERS 2002 UNLIMITED MATCH』(以下、KOF 2002 UM)のSteam版向けに、大型アップデートを配信した。本作のオンライン対戦のネットコードに、ロールバック方式を実装する内容となっている。
『KOF 2002 UM』は2009年に発売されたSNKの人気キャラクター66体が登場する対戦格闘ゲームで、『KOF』シリーズの中でも人気の高いタイトルのひとつだ。Steam版は、ゲームバランスの再調整や、新技・復活技の追加、また各種グラフィックやBGMなどを一新したバージョンとして、2015年にリリースされた。それから5年が経った今年10月、SNKはSteam版での快適なオンライン対戦を実現するためとして、デベロッパーCode Mysticsが開発するロールバック方式のネットコードの実装に向けてオープンコミュニティβテストを実施。そして今回正式に実装される運びとなった。
ロールバックネットコードとは、物理的にどうしても遅延が発生してしまうオンライン対戦において、快適なゲームプレイを実現するための技術のひとつ。これとは別に存在する、プレイヤーの入力にあらかじめ遅延を設けて同期を取るディレイ方式に対して、ロールバック方式は対戦相手の入力情報とその予測をもとに、ゲーム画面の描画を調整することで遅延を吸収する仕組みとなっている(関連記事)。
Steam版『KOF 2002 UM』に導入されたCode Mysticsのネットコードでは、対戦相手との回線状況に合わせた調整が可能。ロビー画面にて、遅延が何フレームを超えるとロールバックを発生させるかを指定できる。また、入力遅延と組み合わせられることも特徴で、ネットワーク設定では最大・最低入力遅延値を指定可能だ。ロビー画面では、この入力遅延を最大値で固定することも、最低値との間で可変にすることもできる。対戦相手のping値を参考に設定すると良いだろう。今回のアップデートではこのほか、オンライン対戦に関わる各種仕様の改善もおこなっているとのこと。
ロールバック方式のネットコードというと、アークシステムワークスも『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』のSteam版への導入に向けて現在パブリックベータテストを実施中だ。こちらはGGPOと呼ばれるネットコードを使用しているが、偶然にも同作も2015年配信の作品。同作も『KOF 2002 UM』も両社を代表する作品ではあるが、Steamにて特にたくさん遊ばれていたというわけではないなか、オンライン対戦環境の改善に向けて突然動き出したという流れは興味深い。
これを受けて、どちらの作品もプレイヤー数が急増しているようだ。同時接続プレイヤー数は、共に100人以下で推移していたところ、ベータテストの開始を受けて『KOF 2002 UM』は約600人まで増え、『GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R』に関しては2000人を超えている(Steam Charts)。
なおSNKは、Steamで配信中の『KOF』シリーズのセールも開始している。期間は11月16日まで。今回アップデートされた『KOF 2002 UM』が25%オフの1110円となっているほか、『THE KING OF FIGHTERS ’98 ULTIMATE MATCH FINAL EDITION』は50%オフの740円、『THE KING OF FIGHTERS XIV STEAM EDITION』が75%オフの1745円などとなっている。