『Kerbal Space Program 2』再度延期。ゴタゴタが報じられる宇宙シミュレーションは、前作ファンの期待に応えられるか
Take-Two Interactive(以下、Take-Two)は、2021年度第2四半期決算説明会を実施。その中で『Kerbal Space Program 2』の発売を2023会計年度(2022年4月~2023年3月)に延期すると発表した。『Kerbal Space Program』シリーズ公式サイトでも、2022年への延期が発表されている。同作は当初2020年内発売の予定であったが、2021年秋に延期。そこからさらに延期する形となった。
『Kerbal Space Program 2』は、人気宇宙開発シミュレーション『Kerbal Space Program』の続編となるゲーム。『Kerbal Space Program』では、「カーバル」とよばれる異星人のためにロケットを建造する。本格的な軌道力学と航空力学がシミュレートされた世界で、月やほかの惑星を探索するため宇宙開発を進めるのだ。
第一作目の『Kerbal Space Program』はメキシコのインディースタジオSquadが開発し、350万本以上の売り上げを記録している。Steamでもカルト的な支持を得ているヒット作品だ。その後Take-TwoがシリーズIPを購入。続編となる『Kerbal Space Program 2』は、Take-Two傘下のPrivate Divisionから発表されたわけだ。一方で、開発はStar Theoryへとバトンタッチ。1作目をベースにゲームデザインをいちから設計することを掲げており、次世代のエンジンやパーツが登場。宇宙ステーションやコロニーも建造でき、恒星間航行の技術を開発することで、さらに遠い宇宙も探索可能とされてきた。
開発体制の変更については、Squadは『Kerbal Space Program』のサポートに専念するため、シリーズファンで宇宙工学に強いStar Theoryに新作を担当してもらうことになったという。 Squad の監修を受けながら制作を進めると発表されていた。今年2月にStar Theoryの主要メンバーが開発に集中するために新スタジオへと引っ越し。しかしこの引っ越しによってStar Theoryは事実上の閉鎖になったようで、スタッフの多くがIntercept Gamesへと移籍。現在は同スタジオが開発を担っていると報じられている(Bloomberg)。同レポートでは、Take-TwoとStar Theoryの契約においてトラブルが発生していたと伝えられていた。
当初は2020年内の発売が予定されていたが、今年5月に新型コロナウイルスの影響を理由に発売を2021年秋へと延期。さらに今回、2022年へと延期されることが発表された。延期の理由については、野心的なプロジェクトであるがゆえにまだ時間が必要とのこと。開発チームは、新要素の導入だけでなく安定して洗練した製品を提供することが重要だと考えており、そうしたことを実現するにはまだ時間がかかると判断したようだ。
発売予定時期の1年前に延期を発表するということは、それだけプロジェクトに時間がかかると考えられるということだろう。開発スタジオの変更やパブリッシャーとスタジオ間の契約問題など、ファンに不安を抱かせる要素の多い『Kerbal Space Program 2』。カルト的人気を誇る前作ユーザーの期待に応えられるのだろうか。
『Kerbal Space Program 2』は、2022年に発売予定。現時点でアナウンスされている対応プラットフォームはPC/PS4/Xbox Oneだ。