非対称マルチホラー『Friday the 13th: The Game』11月の最終アップデートにて専用サーバー停止へ。P2P対戦は引き続き可能
パブリッシャーのGun Mediaは11月4日、『Friday the 13th: The Game』の専用サーバーを2020年11月に停止すると発表した。専用サーバー停止後、本作のクイックプレイはプレイヤー間のP2P接続に戻る。データベースサーバーは継続するため、各プレイヤーの進捗・アンロック状況は維持される。
また専用サーバー停止時には、本作最後のアップデートが配信予定。無数のバグ修正を含むものになるという。同作では今年3月より、XP・CP・テープドロップの獲得2倍イベントが長期開催されている。そちらは専用サーバー停止後も、無期限で継続されるとのことだ。ゲーム自体の販売やサポートサイトの運用も続けられる。
*2018年7月に公開された、日本PS4版『フライデー・ザ・13th:ザ・ゲーム』のトレイラー
『Friday the 13th: The Game』は、映画「13日の金曜日」をゲーム化した1対7の非対称型マルチプレイホラーゲーム。パブリッシャーGun Media、開発元IllFonicより2017年5月にPC/ PS4/Xbox One向けに発売された。その後、2018年8月にナツメアタリより国内PS4版が、2019年8月に国内Nintendo Switch版が発売されている。
プレイヤーは伝説の殺人鬼ジェイソンと、キャンプ場を訪れた若きカウンセラーたちに分かれて対戦。ジェイソンの目的はカウンセラーたちを追い詰めて命を奪っていくこと。カウンセラーたちの目的はキャンプ場から脱出するか、時間切れまでジェイソンの追跡を逃れる、あるいはジェイソンを返り討ちにすることだ。原作のロケーションやサウンド、処刑アニメーションを再現したファン必見の作品として注目を集め、ローンチ当初アクセス過多が発生するなど、盛り上がりを見せていた。
*2019年8月にはNintendo Switch版も発売
その後もアップデートが続いたものの、2018年6月に雲行きが怪しくなる。映画「13日の金曜日」1作目の脚本家と権利保有会社との間で版権争いが勃発し、それに巻き込まれる形で2018年6月に開発の無期限停止を余儀なくされたのだ。映画1作目の脚本を手がけたVictor Miller氏と、フランチャイズの権利を保有するHorror Inc.の間で起きた訴訟の状況を受け、作品権利の所在が曖昧な状態で開発リソースを割く訳にはいかないという判断であった(関連記事)。
2018年9月、Miller氏は映画1作目に関する権利の返還を、アメリカ国内限定で求めることができるとの第1審判決が下された。しかしながらHorror Inc.側はこれを不服とし上訴。2020年に入ってからも依然として法廷争いが続いている(ScreenRant)。『Friday the 13th: The Game』の開発は停止されたままであり、2018年当時に告知済みであった映画「ジェイソンX 13日の金曜日」関連コンテンツも日の目を見ぬまま中止となった。
なお2018年9月には開発元がIllFonicから日本のBlack Tower Studiosにバトンタッチ。新規コンテンツは作れないものの、バグ修正やメンテナンスなどは継続されてきた。先述したようにコンテンツ開発終了後の2019年にはNintendo Switch版が発売。今年に入ってからもサーバー改善のためのアップデートが配信されるなど、ゲームのサポート自体は続いていた。
同作は元々P2P接続を採用していたが、ホストプレイヤーが抜けるとゲームが中断されるほか、ホスト側のレイテンシー的優位が起きるといった欠点もあり、専用サーバーに移行。ただ、専用サーバー移管後も、サーバーが攻撃を受けてマッチメイクに問題が発生するなどトラブルは起きていた(公式フォーラム)。最終アップデートとあわせてのサーバー停止ということで、開発・運用コスト削減のため専用サーバーが停止されるのだろう。先述したように、P2P接続として引き続きプレイは可能だ。