『ノーモア★ヒーローズ』Nintendo Switch版は、実は血だらけのZ仕様。Wii版をグレードアップさせた完全版に


マーベラスは10月28日、『ノーモア★ヒーローズ』『ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル』のNintendo Switch版を発表し、同日に配信開始した。『ノーモア★ヒーローズ3』の映像公開にともない、旧作がNintendo Switchに移植されたわけだが、ゲーム内表現が北米仕様であるようだ。


『ノーモア★ヒーローズ』シリーズは、グラスホッパー・マニファクチュアが手がけるアクションゲームだ。『シルバー事件』や『killer7』などを手がけた須田剛一氏がディレクター/エグゼクティブ・ディレクターを担当している。第一作目と第二作目は、ともにWii向けに発売された作品である。主人公であるイカれたオタクのトラヴィス・タッチダウンが、全米殺し屋ランキングのトップに上り詰めるべく、ビーム・カタナを片手に個性豊かな殺し屋たちに立ち向かう。

下品さとユーモアあふれる世界観、手軽で爽快な戦闘など、ユニークな作品として評価された両作。任天堂プラットフォーム生まれのバイオレンスゲームとしても親しまれたゲームがNintendo Switchに移植されることとなった。移植に際しては、解像度の最適化がはかられているほか、フレームレートが向上。Wii版では可変フレームレートで動いていたゲームプレイが、60fpsで楽しめる。モーションコントロールにも対応。さらに、Nintendo Switch版では、暴力表現が変化しているようだ。


Wiiで発売された『ノーモア★ヒーローズ』は、国内版はもともと敵を倒すと黒い粉々になる仕様。敵がきれいに消えていくエフェクトは、なかなかに爽快。一方で、北米版はより強いゴア表現に仕上げられており、敵を倒すと首が飛びおびただしい血が噴出する仕様であった。今回移植されたNintendo Switch版においては、北米仕様になっているわけだ。四肢切断なども実現しており、かなりゴアな表現になっている。マーベラスは2011年に、PS3向けに『ノーモア★ヒーローズ レッドゾーン エディション』を発売。同作で血みどろ版は解禁されているものの、Wii版のみ遊んだファンとしては嬉しい仕様変更となっただろう。もともとWii版はCERO Dレーティングで発売されていた作品。CERO Zでリリースされることで、北米仕様が可能になったと見られる。

CERO D版とCERO Z版の比較例。CERO D版は敵を倒すと灰になる。 Image Credit : Alicelicious


またYouTuberであるElAnalistaDeBits氏の比較映像を見ると、フレームレートが大きく向上していることもわかる。テクスチャを中心としたグラフィック表現も、Wii版ベース。PS3向け『ノーモア★ヒーローズ 英雄たちの楽園』ではなく、オリジナルのものが現代機向けに最適化されているようだ。さまざまな面で、オリジナルをパワーアップさせた完全版であると言えそうだ。


移植を担当したのは、Engine Software。オランダを拠点とする、移植に定評のある会社だ。Nintendo Switch向けには、『リトルナイトメア』や『英雄伝説 閃の軌跡III』の移植をしており、実績も数多い。『killer7』Steam移植も担当しており、再びグラスホッパー・マニファクチュア作品の魅力を、異なるプラットフォームへと移植することに成功したようだ。須田氏も同スタジオの仕事には賛辞を送っている。


現在Nintendo Switch向けには、『ノーモア★ヒーローズ3』が開発されている。最新作に向けて、過去作2作品をプレイしてみるといいだろう。『ノーモア★ヒーローズ』『ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。