『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』で映画「スパイダーマン: スパイダーバース」仕様のスキン実装。“フレームレート落ち”も完全再現

 

Insomniac Gamesは10月30日、『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』において映画「スパイダーマン: スパイダーバース」仕様のスキンを実装することを発表した。黒と赤を基調とした特徴的なスーツはもちろん映画同様の「フレームレート」まで再現し、アニメーションをそのまま動かしているかのような感覚を味わうことができる。
 

 
『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』は、PlayStation 5/PlayStation 4向けに発売されるオープンワールドゲームの最新作。PS4向けに発売された『Marvel’s Spider-Man』から約1年後の冬のニューヨークを舞台に、マイルス・モラレスを主役とした物語が展開される。スパイダーマンならではのウェブ・スイングで摩天楼の間を高速移動する爽快感はそのままに、任意のモードで4Kや60fpsにも対応する、より没入感の高いアクションゲームとして期待を集めている。

そんな今回の主人公マイルス・モラレスは原作コミックにも登場する青年。しかし彼の知名度を一段と高めた要因のひとつが2018年(日本では2019年)公開の映画「スパイダーマン: スパイダーバース」だろう。同作はマイルスを中心に、マーベル・コミックにおけるさまざまな世界線のスパイダーマンたちが一堂に会するマルチバースをテーマとした作品。全世界で3億7500万ドルの興行収入を記録しており、アカデミー長編アニメーション賞も受賞した。

「スパイダーマン: スパイダーバース」で高く評価された要素のひとつが、アニメーションならではの映像表現だ。通常のアニメーションはなるべくコマ数を増やしてなめらかな動きに見せようとするものだが、同作ではあえてフレームレートを落としたカクカクの動きに。意図的にコマ落ちしたような表現にすることで、フォトリアルではないアニメーションならではの演出に仕上がっている。またコミック調の印刷ドットなども用いられ、まるで漫画の世界がそのまま動いているかのような斬新な表現が話題となった。
 

 
『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』における「スパイダーマン: スパイダーバース」スキンも、映画における特殊な表現を忠実に再現している。ゲームプレイ映像を見ると、ウェブ・スイングで駆け巡るマイルスの動きはあえてフレームレートが落とされカクついたモーションに。3Dモデルでありながらアニメーションで描画されたかのような動きになっている。光の反射の具合でコミック調ドットもしっかり確認できるほか、映像の6分半ごろに確認できる戦闘シーンなどでは敵を攻撃したときにアメコミ風のオノマトペのエフェクトが飛び出す演出も見受けられる。

ゲームにおける『Marvel’s Spider-Man』がアニメーション表現を用いたのは今回が初めてではなく、前作では「カートゥーン」スーツを装備することでピーター・パーカーが2Dの平面モデルになってしまうという大胆な仕掛けがあった。今回の「スパイダーマン: スパイダーバース」スキンは、そうしたギミックをさらに進化させており、アニメーションファンにも嬉しいサービスとなりそうだ。

コアテクノロジーディレクターのMike Fitzgerald氏によれば、フレームレートを落とす演出に関してはかなり苦労があったとのこと。コマ落ちしていないキャラクターとの絡みはどうするのか、アイテムを拾ったときはどう影響するのかなど、ブレインストームを重ねて練り上げていったそうだ。マンガ表現のポップアップなどは、リードアニメーターのDanny Garnett氏による突然の発案で急な実装が決まったとのこと。
 

 
「スパイダーマン: スパイダーバース」仕様のスキンは、事前購入の特典として入手することができる。北米向けにはデジタル/パッケージ版共に用意されているようだが、国内向けにはSIEからの発表があるだろう。またInsomniac Gamesは、ゲーム内でも同スーツは手に入るとしている。『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』は、PS5/PS4向けに11月12日発売予定で、Standard Editionは6490円(税込)。また『Marvel’s Spider-Man Remastered』を含むUltimate Editionは8690円(税込)となっている。